誰でも一度は憧れる!?“未来予知能力”を題材にした映画まとめ
生き延びたはずの若者たちに次々と死が迫る『ファイナル・デスティネーション』
ノンストップホラー『ファイナル・デスティネーション』(00)では事態はより切実で深刻だ。フライト前の飛行機内で凄惨な大事故の予知夢を見た若者がパニックとなり、仲間と共に降ろされたお陰で命は救われたが、死神は彼らを見逃しはしなかった…。不慮の事故で一人、また一人と命を落とし、次は自分の番なのではないかと気が気ではなくなる。いっそ未来など知らぬまま最初の飛行機事故で死んだほうが幸せだったのではないか?そんなふうに思えてくるのが妙味。
未来予知能力に目覚めた男の苦悩を描く『デッドゾーン』
モダンホラーの帝王スティーヴン・キングの原作を鬼才デヴィッド・クローネンバーグが映画化した『デッドゾーン』(83)も見逃せない傑作。交通事故により、他人に触れるとその人物の過去や現在、未来が視えるようになった男。大統領選に出馬している議員と握手した彼は、この議員が当選したあと、核ミサイルのボタンを押す未来を視てしまう。未来を変えるにはいま、動くしかない。誰にも信じてもらえなくても、彼はやるしかなかった。そんな奔走がスリリングで、結末はせつなくもある。
2分先(!)を予知する男がテロを阻止しようとする怪作『NEXT ネクスト』
『NEXT ネクスト』(07)は、これまたフィリップ・K・ディック原作のSFスリラーだが、主人公は”2分先”のことしか予知できない。2分でなにができるかどうかはともかく、FBIは彼の能力を利用してテロを阻止しようとするが、事態は二転三転…。なんじゃこりゃ!?というオチを含めて、映画ファンであれば観ておきたい怪作だ。
突然の予知能力に戸惑い、内面的な葛藤を描いていく『マダム・ウェブ』
12月4日よりブルーレイ&DVDが発売となったマーベルコミック原作による『マダム・ウェブ』も、この特殊なスキルを題材にした最新のミステリーサスペンス。ある日突然、未来を“視る”能力に覚醒した女性救急救命士が、命をねらわれた3人の少女を救おうと奔走。その過程で、彼女の生い立ちの秘密が明かされていく…。
主人公キャシーは予知能力に覚醒するが、最初は自分の身になにが起きたのかわからず戸惑う。それが予知能力であると理解しても、どう使うべきかわからない。そんな内面的な葛藤を通して、“大いなる力には大いなる責任が伴う”というスパイダーマン的な精神を身につけていく彼女の奔走は、サスペンスとしてはもちろん、人間ドラマとしても魅力を放つ。
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)でブレイクしたダコタ・ジョンソンは、この主人公を現代的なキャラクターとして演じているので、共感を覚える人も多いだろう。そんな点でも、“予知能力映画”というジャンルをアップデートした話題作。ぜひチェックしてほしい。
文/有馬楽