「今年のアカデミー賞はホンモノ。まごうことなき傑作」「『良かった』の一言では済ませたくない」「想像を絶する臨場感」『オッペンハイマー』を日本の観客はどう受け止めた?
ノーラン監督だから実現できた豪華キャストのアンサンブル
ほかにも、アメリカ原子力委員会の委員長でのちに水爆実験を巡ってオッペンハイマーと対立するルイス・ストローズ役を演じたロバート・ダウニー・Jr.、オッペンハイマーの妻キティ役のエミリー・ブラント、「マンハッタン計画」を指揮したアメリカ陸軍将校のレズリー・グローヴス役のマット・デイモン、オッペンハイマーのかつての恋人ジーン・タトロック役のフローレンス・ピューなど豪華キャストが顔をそろえている。それだけに登場キャラクターが多く、
「登場人物が多くて、時系列もバラバラに展開するので事前の情報収集がお勧め。栄光も没落も淡々と描かれており、見る者に考えさせる余韻が与えられた感じ」
との意見も。ここでも述べられているが、ノーラン作品らしく過去と現在を行ったり来たりする時制の乱雑さも特徴であり、
「矛盾に満ちた人間という存在をオッペンハイマーという歴史的人物の栄光と凋落を通じて描いた作品。歴史詳しくない人は予習しないと登場人物とシーン転換の多さに翻弄されるかも」
という声も上がっている。
悲劇を繰り返さないために知っておきたいことも
最後に、これが最も肝心のポイントかもしれないが、唯一の被爆国、日本で生きる観客としてどう感じたか?という意見は、やはり無視できない。
「被爆国だから思うところある方もいるかもしれないが、一度この作品に触れてみることも必要なのかもしれません」
「反戦映画であり決して原爆を讃えるようなものでない。原爆を扱うのが多少なり禁忌になってるのかもしれないが当時の世代の人の話が聴けなくなっていく先にこうやって色んな角度から伝わっていくべきです」
という声に代表されるように、悲劇を繰り返さないために原爆のルーツを知ることも必要なのかもしれない。
「後世に語り継がれる名作だと思う。核兵器がなくなることを切に願う」
「正直オッペンハイマーのことは何も知らなかった。何故、彼が原爆をつくるようになったのか、その後、彼の身に何が起こっていたのか知ることが出来てキャスト&スタッフに感謝。次世代が歴史を学ぶ時に併せて鑑賞する意味があると思う」
という、本作を観る意義について考えさせられる意見も寄せられた。
『オッペンハイマー』は3時間の大作で、観客の胸に多くのことを語りかけてくる。その豊潤さこそが、アカデミー賞受賞という成果につながったのだろう。稀有な映像体験から、あなたはなにを感じるか?ぜひスクリーンに向き合って、体感してほしい。
文/相馬学
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