”あの頃”の恋心を思い出す『青春18×2 君へと続く道』『花束みたいな恋をした』『君の膵臓をたべたい』…大人も余韻に浸れる恋愛映画9選
すれ違い続ける幼なじみとの恋『あと1センチの恋』
ここからは見逃せない海外の作品を紹介していく。Netflixドラマ「エミリー、パリへ行く」シリーズのリリー・コリンズによる主演作『あと1センチの恋』(14)は、両想いのはずの幼なじみが、大人になってもすれ違いを繰り返していくラブストーリー。互いに素直になれず、高校卒業のプロムで別々の相手を選んだことから運命が大きく脱線。進学、就職、結婚、妊娠とライフステージの節目のたびにチャンスがありながらも、2人はことごとく交わらない選択をしてしまう。果たして2人が結ばれる日はくるのか?なかなか成就しない恋にヤキモキさせられるが、傷つきながらも諦めずに生きるヒロインに寄り添いたくなるはず。
夢を追う男女のせつない恋愛を歌とダンスが彩る『ラ・ラ・ランド』
アカデミー賞で主演女優賞を含む6部門を受賞した『ラ・ラ・ランド』(16)は、ロマンティック・ミュージカルの大ヒット作。エマ・ストーン扮する女優の卵ミアと、ライアン・ゴズリング演じる駆け出しのピアニストのセブが、ショービズの最高峰である街、ロサンゼルスで運命的な出会いを果たす。煌びやかなパーティ、腕試しのオーディション、生活費を稼ぐためのアルバイトと、明日のスターを夢見て、軽快に暮らしを楽しむ2人。しかし非情な現実を前に選択を迫られる。星空を舞うダンスなど、2人のミュージカルシーンに目を奪われる。
いくつもの「もしも」に思いを馳せる…『パスト ライブス/再会』
そして、現在公開中の『パスト ライブス/再会』は、良質な作品を生み出し続けるA24制作による話題作。韓国で生まれ育ったノラ(グレタ・リー)とヘソン(ユ・テオ)は、ノラの海外移住のため12歳で離れ離れに。24年後、ソウルで暮らすヘソンは、ノラが作家アーサー(ジョン・マガロ)と結婚したと知りながらも、初恋相手と再会するため渡米して彼女が暮らすニューヨークを訪ねる。再会した2人は、「もしもあの時…」と想像を巡らせながら、幼少期の淡い恋心を呼び起こしていく。本作で監督デビューを飾ったセリーヌ・ソンが、幸せでありながらほろ苦い味わいの新しい恋愛映画の形を描き出した。