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猿たちはいかに進化し、地上の支配者となったのか!?『猿の惑星/キングダム』につながるリブート版三部作を振り返り

コラム

猿たちはいかに進化し、地上の支配者となったのか!?『猿の惑星/キングダム』につながるリブート版三部作を振り返り

リブート版「猿の惑星」で描かれたシーザーの成長と葛藤

リブート版「猿の惑星」三部作はシーザーの成長の物語だった。母から特別な力を受け継いだシーザーは、自分の居場所を見つけ人間社会から離脱。家族を持ち、指導者として自由を勝ち取り仲間を安住の地に導いた。『創世記』におけるウィルとの決別、『新世紀』でのリーダーとしての苦悩、そして『聖戦記』では自らの心の闇と対峙…と、その繊細な感情表現や存在感に、心を動かされた人も多いだろう。情感豊かにシーザーを演じたのは、パフォーマンスキャプチャを使って「ロード・オブ・ザ・リング」三部作のゴラムや『キング・コング』(05)のコングを演じた個性派俳優アンディ・サーキス。赤ん坊から8歳までを演じた1作目の助演に続き、2、3作目では主演に昇格したのも納得である。サーキスの熱演をデジタルキャラクターに投影した緻密な視覚効果は、上記2作品や『アバター』(09)などでアカデミー視覚効果賞に輝いたWeta FXが手掛けている。

パフォーマンスキャプチャを使いながら、指導者として成長し苦悩するシーザーを情感豊かに演じた
パフォーマンスキャプチャを使いながら、指導者として成長し苦悩するシーザーを情感豊かに演じた[c]Everett Collection/AFLO

アクション、スリルを満載した一級のエンタテインメントであると同時に、科学の誤用や慢心といった風刺や批判精神も高く評価されてきた「猿の惑星」シリーズ。なかでもパンデミックによる秩序の崩壊、ジェノサイドや報復の連鎖といた要素を孕んだリブート版は、予言書のようなリアリティのある傑出した存在だ。その最新作『猿の惑星/キングダム』ではどんな進化を遂げているのか、スクリーンで見届けてみてほしい。


文/神武団四郎

※Weta FXの「e」と「a」はマクロン付きの「e」と「a」が正式表記

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