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絵描き・石黒亜矢子がジャッキー・チェンを獣化!最新作『ライド・オン』に「ジャッキーファンとして感無量」

インタビュー

絵描き・石黒亜矢子がジャッキー・チェンを獣化!最新作『ライド・オン』に「ジャッキーファンとして感無量」

「『ヤングマスター』はパーフェクトなジャッキー映画だなって思っています」

――そんななかで、好きなジャッキー映画を挙げるならどの作品を選ばれますか?

石黒「『ヤングマスター 師弟出馬』と『スパルタンX』ですね。『ヤングマスター』は、いろんな意味でベストなジャッキー映画だと思っています。あの映画を撮った当時、ジャッキーは年齢的にもまだまだ若くて、でも『酔拳』や『蛇拳』を含めていろんな映画を重ねてきた経験も活かされていたように思うんです。さらに王道的物語とコメディ要素、カンフー要素が全部詰め込まれている。ある意味パーフェクトなジャッキー映画だなって思っているんです」

『ヤングマスター 師弟出馬』のラストバトルでは、約17分もの間死闘を繰り広げる
『ヤングマスター 師弟出馬』のラストバトルでは、約17分もの間死闘を繰り広げる[c] 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

――『ヤングマスター』は、ゴールデン・ハーベストに移籍後に初めてジャッキーが監督した作品で、家具や壁など周囲にあるものをいろいろと駆使した、その後のジャッキー映画のメインになる空間を利用するバトルの基礎を作った作品なんですよね。

石黒「だからジャッキーらしさをすごく感じるのかもしれないですね。ユン・ピョウも出演していて、敵キャラも含めて、とにかく全部がよかったんですよね」

1980年代のジャッキー映画といえば、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポーとのゴールデントリオ!(写真は『スパルタンX』)
1980年代のジャッキー映画といえば、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポーとのゴールデントリオ!(写真は『スパルタンX』)[c]EVERETT/AFLO

――もう一つ挙げている『スパルタンX』は、どのようなところが好きですか?

石黒「『スパルタンX』は、これまでのジャッキー映画に比べると、ポップでオシャレに感じたんです。それまでのジャッキー映画は、舞台は全部香港だったのがスペインのバロセロナが舞台になって、ヒロインも欧米の女優さんが出演されていて。ジャッキーが演じる主人公たちの住んでいるところや服装もオシャレで、職業もキッチンカーでホットドッグを売っていたりと、空気感が違っていたのがすてきでした。最後にジャッキーが戦う相手も本当の格闘家(=元アメリカのキックボクシングチャンピオンのベニー・ユキーデ)で、バトルがものすごく迫力があったし、最後に共演しているサモ・ハン・キンポーとユン・ピョウと3人で、三銃士みたいに揃い踏みするのも楽しかった。とにかく、明るくて楽しくて、おめでたい映画という感じが好きです」

――そんな石黒さんが選ぶジャッキーのベストアクションはどれですか?

石黒「やっぱり、『ポリス・ストーリー 香港国際警察』のラストシーン。あの巨大な吹き抜けの飾りに飛びついて滑り降りるアクションですね。『ポリス・ストーリー』は、息を飲むようなアクションが多くてすごい映画だと思っています。あとは、ジャッキーらしい楽しさという意味では、『プロジェクトA』の自転車チェイスも好きですね。細道を自転車で逃げてすごいアクションをやっているのに、コメディタッチで楽しくて、途中でサドルが取れてお尻に刺さったり(笑)。笑える楽しさはジャッキーらしくて好きです」

「ちゃんといまのジャッキーも観ておきたい」

――改めて、ジャッキー・チェン自身の魅力というのはどこにありますか?

石黒「それをきちんと語るのは難しいですね…。私にとっては子どものころからのスターであり、絶対的な存在なので。私と仲良くなる人は、大体ジャッキー・チェンが好きな人でした。『ジャッキー・チェンが嫌い』と言われたらまず仲良くなれないですね(笑)。私自身も口下手なので、ジャッキーの魅力をなんて言っていいのかわからないところもあるんですが、それでも今後は『ジャッキーが大好き』というのは大声で言っていきたいなと思います。『ジャッキー好き』をアピールしてきた結果、お仕事として本作のイラストを描かせてもらえるようになったので、本当にうれしいですよね」

今年で70歳となったジャッキー・チェン。まだまだアクション映画現役!
今年で70歳となったジャッキー・チェン。まだまだアクション映画現役![c]2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD.,BEIJING HAIRUN PICRURES CO.,LTD.

――今回、改めて『ライド・オン』を観てジャッキー熱が上がったかと思います。今後も、まだまだジャッキー映画が作られていくそうですが、そこに向けてはどのように思われていますか?

石黒「元気で若いジャッキーだけを記憶に留めておきたい、歳を取ったジャッキーはあまり観たくない…という気持ちがあったんですが、『ライド・オン』を観たおかげで、むしろどんどん観ていかなくちゃならないなと思いましたね。ちゃんといまのジャッキーも観ておきたい。『私たちが観ないで、誰が観るんだよ!』って(笑)」


――『ライド・オン』は、そういう気持ちにさせてくれる映画だったわけですね。

石黒「本当にすごくいい映画でした。本当にジャッキーをすごくいい使い方で見せている、彼に対するものすごいリスペクトを感じることができました。ジャッキーを知らなくても、アクションスターが演じるスタントマンと馬の映画として楽しむことができる映画だと思います。自分も子どもに観せたいなと思うくらいいい映画だったので、ジャッキー好きだったり、アクション映画として興味がある方は楽しんでもらえると思いますので、ぜひ映画館で観ていただければと思います」

『ライド・オン』は5月31日(金)公開!
『ライド・オン』は5月31日(金)公開![c]2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD.,BEIJING HAIRUN PICRURES CO.,LTD.

取材・文/石井誠

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■石黒亜矢子
1973年生まれ、絵本作家・絵描き。妖怪や創造生物、動物を描く。著書に「ばけねこぞろぞろ」(あかね書房)、「いもうとかいぎ」(ビリケン出版)、「どっせい!ねこまたずもう」「ねこまたごよみ」(ポプラ社)、「おろろんおろろん」(偕成社)、「おおきなねことちいさなねこ」「つちんこつっちゃん」(好学社)、「こねこのきょうだいかぞえうた」シリーズ(BL出版、文・石津ちひろ) などがある。京極夏彦と共に手掛けた「もののけdiary」(岩崎書店)も話題に。台湾の台北市にある「Mangasick」にて、6月10日(月)まで個展「貓面山海經」を開催。

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