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アニャ・テイラー=ジョイ&クリス・ヘムズワースが「マッドマックス」初参戦を語る「なにより心躍ったのはウォー・タンクのハンドルを握った時」

インタビュー

アニャ・テイラー=ジョイ&クリス・ヘムズワースが「マッドマックス」初参戦を語る「なにより心躍ったのはウォー・タンクのハンドルを握った時」

「着ている服やマントを含め、皇帝など権力者をマネていると考えて役作りをした」(ヘムズワース)

――劇中でアニャさんは何台もの車やバイクに乗っていますが、実際ハンドルを握ってみていかがでした?

テイラー=ジョイ「いろんなビークルに乗りましたが、本当に1台1台の個性がまったく違うんです。それぞれ慣れが必要でしたが、なにより心躍ったのはウォー・タンクのハンドルを握った時。この作品を象徴するマシンなので『これが私のビークルよ!』という少しミーハーな気持ちでワクワクしました(笑)。逆に一番大変だったのはバイクです。砂地を走るためサスペンションが高く、しっかり足をつくことができなかったんです。座面の低いハーレーだったらよかったのに…と思いながら悪戦苦闘してました(笑)」

――3台のバイクを連結したディメンタスのチャリオットもかなり個性的なビークルでしたね。

ディメンタス将軍がバイクをチャリオットのように改造した
ディメンタス将軍がバイクをチャリオットのように改造した[C]2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

ヘムズワース「最初に乗っていたのは大型バイクだったんですが、馬車のように巨大化していったんです(笑)。このチャリオットは、ローマ帝国時代の乗り物を参考にディメンタスが考えたという設定だと思います。見た目は超クールなんですが、正直なところ、乗り物として実用的とは言えないですね(笑)。僕が思うに、ディメンタスというキャラクターは歴史上の様々な人物の英雄伝や、スピーチを参考に自己演出してるんです。着ている服やマントを含め、皇帝など権力者をマネていると考えて役作りをしました」

「ジョージ・ミラー監督は現場でシーンの隅々にまで目を配る、こだわりをもって臨む」(テイラー=ジョイ)

――中盤の15分間も続くアニャさんのカーアクションは、断続的に78日間もかけて撮ったそうですね。

長期間をかけて撮影したカーアクションが見どころの一つ
長期間をかけて撮影したカーアクションが見どころの一つ[C]2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

テイラー=ジョイ「このシーンはフュリオサがどんなスキルを持ったキャラクターかを伝えるための、つまり彼女自身を体現したシーンでもあります。平和な故郷から連れ去られた彼女が、様々な経験を通してどれだけ技術を修得したのか。身近にあるものを最大限に活かすスキルや、失敗が死につながるシビアな環境を生き抜くなかで身につけた能力をすべて発揮するんです。私がこの作品で最初に撮ったシーンであり、最後に撮影を終えたのもこのシーンでした。車体の下に隠れていたフュリオサが、走行中に車体側面に移動してフロントからボンネットをよじ登る一連の流れは、順撮りで撮影してもらえたので混乱することなくこなすことができました。辛かったのは車体の下にぶら下がっている時。地面すれすれだったので頭を常に上げていたため、肉体的に大変でした」

――ジョージ・ミラー監督とのお仕事はいかがでしたか?

ロンドンプレミアイベントに登壇したアニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワースとジョージ・ミラー監督
ロンドンプレミアイベントに登壇したアニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワースとジョージ・ミラー監督[C]2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

テイラー=ジョイ「ミラー監督は現場でシーンの隅々にまで目を配る、こだわりをもって臨む監督でした。撮影は3つのユニットが並行して進行していましたが、セカンドユニットで1日20テイクのスタントを撮らなければならない日があったんです。時間との戦いでしたが、あるカットでスタントマンのヘルメットが1インチずれていたため監督は撮り直すことにしたんです。そうやって妥協せず、一つ一つのシーンを重ねていく。どれも手が込んでいて、丁寧に仕事を進める姿勢はすばらしいと思いました」

ヘムズワース「独創的で誰もが驚くほどエネルギッシュな世界を具象化できる、卓越した才能の持ち主でした。ミラー監督ならではだと思ったのは、バイオレンスな世界を描きつつ舞台裏ではとても優しく、面倒見がいいことです。危険と隣り合わせの作品は、撮影や準備にすごく手間がかかったり、場合によってはシーンそのものが失敗に終わることもあるでしょう。『マッドマックス』はミラー監督の卓越した監督術と、周囲への気配りがあるからこそ成しえた作品だと実感しました」

『マッドマックス:フュリオサ』は5月31日(金)に公開
『マッドマックス:フュリオサ』は5月31日(金)に公開[C]2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.


取材・文/神武団四郎

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