和テイストな世界観と主人公のミステリアスさに惹き込まれる!最新作から入ってもOKな「モノノ怪」の魅力|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
和テイストな世界観と主人公のミステリアスさに惹き込まれる!最新作から入ってもOKな「モノノ怪」の魅力

コラム

和テイストな世界観と主人公のミステリアスさに惹き込まれる!最新作から入ってもOKな「モノノ怪」の魅力

2007年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送されたオリジナルホラーアニメ「モノノ怪」。作画、物語共に当時の深夜アニメとして最高峰のクオリティを放ち、多くのファンを生みだしたまさに“怪作”だ。そんな「モノノ怪」の新作エピソードが、17年の時を経て『劇場版モノノ怪 唐傘』(公開中)として待望の劇場アニメ化!今回は本作の魅力についてあらためて綴っていく。

怪しくも美しい“和”の世界観に引き込まれる!

本作の舞台は江戸時代。人の情念、あるいは怨念といった想いが「アヤカシ」に取り憑き、人に禍をもたらす「モノノ怪」が生まれる時代。そんなモノノ怪を斬ることができる退魔の剣を持ち、諸国を巡っている謎多き薬売りの男が主人公となっている。

【写真を見る】「モノノ怪」は2006年放送のホラーアニメ「怪~ayakashi~」内の「化猫」から誕生した
【写真を見る】「モノノ怪」は2006年放送のホラーアニメ「怪~ayakashi~」内の「化猫」から誕生した[c]ツインエンジン

古きよき華やかな江戸の世とその裏でひしめく生々しい人々の情念、そして平和を乱すアヤカシやモノノ怪の恐ろしい存在感。陽と陰の調和のとれた世界観を、和紙のテクスチャーを活かした斬新かつ印象的な映像で表現しているのが、本作がいまも視聴者の心をつかんで離さない大きな理由の1つとなっている。

物語の舞台は江戸時代
物語の舞台は江戸時代[c]ツインエンジン

また、様々な怪異が人々を脅かすホラー作品ではあるが、モノノ怪を斬るためには、薬売りの男がモノノ怪の「形(かたち)」「真(まこと)」「理(ことわり)」を明らかにする必要があり、そのために事件を探っていくというミステリー&人間ドラマの要素がある。そこには当然、薬売りの男がモノノ怪に立ち向かう冒険譚という側面もあり、ひと言にホラーアニメとくくるにはもったいない作品性も素晴らしい。

人の情念や怨念が「アヤカシ」に取り憑き、人に禍をもたらす「モノノ怪」が生まれる
人の情念や怨念が「アヤカシ」に取り憑き、人に禍をもたらす「モノノ怪」が生まれる[c]ツインエンジン

主人公、薬売りの男のミステリアスさが魅力

こうした世界観のなかで最も魅力的に立ち回るのが、作中では本名も出自もモノノ怪と戦う理由も一切明かされない、多くの謎に包まれた主人公、薬売りの男だ。端正な顔立ちをしていることは間違いないが、派手な服装とメイクに大きな薬箱を背負った不思議で妖艶な風貌。なにより人間のものには見えない長く伸びた耳が印象的だ。アヤカシやモノノ怪に対する知識を多く蓄えていることも、そのミステリアスさに拍車をかけている。

薬売りの男がモノノ怪の「形」「真」「理」を明らかにするミステリー要素も魅力
薬売りの男がモノノ怪の「形」「真」「理」を明らかにするミステリー要素も魅力[c]ツインエンジン

普段は淡々と、飄々としているようでありながら、旅先や事件で関わった人には温かな感情を見せることも多い。それでいてモノノ怪を生む原因となった者たちには非情に徹し、超人的な雰囲気に内包された人間臭さを随所で見せるのも魅力となっている。

退魔の剣の封印を解き、憑依する姿「神儀」となった薬売り
退魔の剣の封印を解き、憑依する姿「神儀」となった薬売り[c]ツインエンジン


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