和テイストな世界観と主人公のミステリアスさに惹き込まれる！最新作から入ってもOKな「モノノ怪」の魅力

最新作『劇場版モノノ怪 唐傘』の舞台は“情念”が渦巻く大奥！

7月26日より公開となった最新作『劇場版モノノ怪 唐傘』で薬売りの男が訪れるのは、女性の情念が渦巻く壮絶な女の園、大奥。大奥といえばやはり、複雑に絡み合う生々しい人間ドラマが醍醐味で、独自の社会形成がされたこの場所に2人の新人女中が足を踏み入れ、「自分の大切なもの」を捧げる“儀式”に参加させられる。2人の間に絆が生まれる一方で、大奥の繁栄と永続を第一に考える組織のトップ、御年寄にはなにかを隠している様子が。やがて、夜ごとに女たちの情念が蓄積され、どこからともなく唐傘の異音が響き渡るなど怪異現象が発露していく…。

大奥内部が少しずつ、じわじわと恐怖に蝕まれていく展開に背筋も凍る今回の劇場版。大奥のなかでいったいなにが起きており、そこに隠された謎と真実を薬売りの男がどのように解き明かすのか？あるいは、彼がモノノ怪をどう斬り祓うのか？劇場版ならではのハイクオリティな作画で彩られる、「モノノ怪」らしい色彩豊かな世界観をスクリーンで存分に味わいながら、この物語の行く末を見届けたい。

実は「モノノ怪」は、同じくノイタミナで2006年に放送されたホラーアニメ「怪～ayakashi～」のなかの1エピソード「化猫」の続編として製作されたという背景がある。そちらを観ると謎多き薬売りのことをもう少し知ることができるため、そちらの視聴もオススメだ。

ただし、本シリーズはオムニバス形式で紡がれているため、劇場版から初めて鑑賞してもなんら問題ないのもうれしいポイントとなっている。薬売りの男がどんな旅をして、どのようなモノノ怪を斬ってきたのか。その足跡を辿ってから『劇場版モノノ怪 唐傘』を鑑賞するのもよし。『劇場版モノノ怪 唐傘』から「モノノ怪」の世界へ飛び込んでみるのもまたよし。ぜひこの鮮烈な世界観を堪能してほしい。

文/リワークス(加藤雄斗)