シルヴェスター・スタローンが魂と情熱を込めて生み出し、いまなおボクシング映画の金字塔として燦然と輝き続ける「ロッキー」シリーズ全6作品が、「【初回限定生産】ロッキー:アルティメット・ノックアウト・コレクション<4K ULTRA HD>」として8月21日に発売となった。
シリーズ初の4K UHD化となる本アイテムは、一昨年公開され大きな話題を呼んだ『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』や『ロッキー・ザ・ファイナル』(06)のディレクターズ・カット版が収録された、まさにファン必携の究極体。そこで本稿では、これまでのシリーズをロッキー・バルボア(スタローン)が歩んだ道のりと共に振り返りながら、今回発売される4K UHD BOXを紹介していこう!
アカデミー賞作品賞受賞の記念すべき第1作『ロッキー』(76)
第1作『ロッキー』は、たった一本でスタローンの名を世に知らしめた、アメリカン・ドリームを象徴する作品。ポルノ映画やクレジットにも名前が乗らない脇役での映画出演など、鳴かず飛ばずの売れない俳優だったスタローンが30歳を目前に自ら脚本を書き上げ、自分が主演を務めることを条件にスタジオに売り込み制作に漕ぎつけたことでも知られている。
ヤクザまがいの仕事をしながら荒んだ生活を送る三流ボクサーのロッキー・バルボアは、とあるめぐり合わせから世界チャンピオンのアポロ・クリード(カール・ウェザース)と世界ヘビー級タイトルマッチで対戦することとなる。恋人であるエイドリアン(タリア・シャイア)の支えを受けながら過酷なトレーニングに励んだロッキーは、自分が負け犬ではないと証明するために不屈の闘志で立ち向かっていく。
公開の前年にベトナム戦争が終結し、それまで隆盛を極めていた反体制的でアンチヒーローを掲げた“アメリカン・ニューシネマ”を完全に終わらせた作品の一つとしても言われている本作。無名監督と無名俳優による作品でありながら瞬く間に話題が広がり、1976年公開作としてNo.1の大ヒットを記録した。そして第49回アカデミー賞では9部門で10のノミネートを獲得し、作品賞や監督賞など3部門を受賞。「ロッキー」の歴史はこうして幕を開けることとなった。
アポロとの再戦が激アツの『ロッキー2』(79)
前作の記録的な大成功によって続編の制作が決定し、スタローンは再び自ら脚本を執筆。前作を手掛けたジョン・G・アヴィルドセン監督は、そのころ監督を務める予定だった『サタデー・ナイト・フィーバー』(78)の制作準備で忙しかったため(結局同作も降板している)復帰は叶わず、前年に『パラダイス・アレー』(78)で監督デビューを飾ったスタローンが自ら主演、脚本、そして監督の3役を務めることとなった。
エイドリアンと結婚し、ボクシングの世界から離れていたロッキー。そんななか、前作での試合で辛くも勝利を掴んだものの、無名の挑戦者相手にチャンピオンとしての面目が丸潰れとなったアポロから再戦の申し出が。アポロからの挑発に乗せられたロッキーは、エイドリアンからの反対を押し切り挑戦を決意。しかしそんななか、エイドリアンは昏睡状態に陥り、ロッキーは彼女のために再びリングに立つこととなる。
実力の違いを証明しようとするアポロと、家族を背負うロッキー。前作を凌駕する激闘の末に、ついに王者の座に上り詰める。前作ほどの評価を得ることは難しかったが、北米では1979年公開作として第3位の興行成績をあげる大ヒットを記録した。