『IT/イット』『ミーガン』『変な家』『サユリ』…“ホラー×異ジャンル”こそが、エンタメの法則!
“ホラー×バトル”=最恐エンタメ!『M3GAN/ミーガン』
幽霊やゾンビ、モンスター、さらには生きた人間など、ホラー映画にはありとあらゆるバリエーションの恐怖の対象が出現するが、登場人物たちが勇気を振り絞って恐怖に立ち向かう姿にこそ、胸を打つドラマが生まれる。
ホラー映画にバトル要素が絡み合う作品は多々あるが、ブラムハウス・プロダクションズがAI人形の恐怖を描いた『M3GAN/ミーガン』(23)は、近年のバトルホラー映画のなかでも特筆すべきスリルと爽快感を持ち合わせた一本。孤独な少女の“友だち”としてプログラムされた開発途上のAI人形が暴走。次々と惨劇を繰り広げていく。
人形ホラーといえば、チャッキーでおなじみの「チャイルド・プレイ」シリーズなどもあるが、“ミーガン人形”の殺傷能力は段違い。小さなボディに似合わず、まるで「ターミネーター」のような圧倒的なパワーで繰り返し襲ってくる!この執念深い悪役ぶりが、高いエンタメ性を生んでいるポイント。美少女然とした見た目と、たまに見せる奇妙な動きに油断してしまうと一貫の終わり。古今東西、綺麗な花には棘があるものだ。
“ホラー×どんでん返し”は、二転三転がトレンド『変な家』
予想を裏切る展開や、思いもよらないラストが待ち受ける“どんでん返し”はホラー映画の得意技。観客を驚かせようとするホラージャンルと、意外な結末との相性は非常に高い。とはいえ最近は、どんでん返しを用意している映画があまりに多すぎて、逆に“意外性”が失われてしまっているというのも事実。
そんななかで今年の春休みに公開されてサプライズヒットを記録した『変な家』は、どんでん返しがあるとわかって観ている観客の予想を逆手に取り、次から次へと斜めうえの方向へといざなう怪展開で観客を圧倒。不可解な間取りに端を発した正統派のミステリーかと思えば、オカルト寄りになったり、冒険映画的になったりと二転三転する。この一筋縄ではいかない展開が口コミで広がり、ヒットにつながったと言えるだろう。