日本&台湾を代表するクリエイターが集結!『雨の中の慾情』異国情緒溢れる新場面写真の数々
『さがす』(22)、「ガンニバル」の片山慎三監督がつげ義春の同名シュルレアリスム作品を原作に映画化したラブストーリー『雨の中の慾情』(11月29日公開)。本作より新場面写真が到着した。
アジア映画で史上初めて米アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』(19)のポン・ジュノ監督の助監督として研鑽を積み、長編映画デビュー作『岬の兄妹』(18)で日本映画界に衝撃を与えた片山監督がメガホンをとる本作。メインキャストを成田凌、中村映里子、森田剛らが務め、2人の男と1人の女のせつなくも激しい性愛と情愛が入り交じる、数奇なラブストーリーが展開する。
今回解禁となった本作の場面写真は、すでに解禁となっているティザービジュアルを用いたメイン写真に加え、成田演じる義男、中村演じる福子、森田演じる伊守の姿を中心に捉えたもの。売れない漫画家の義男は、自称小説家の伊守とともに、引っ越しの手伝いに駆り出された先で福子に出会う。福子は離婚したばかりで、艶めかしい魅力をたたえており、義男は一瞬で福子に心を奪われてしまう。この瞬間から、2人の男と1人の女の数奇なラブストーリーが広がっていく。
到着した場面写真では、伊守とともに引越し作業を進める義男の姿や、俯きながら優しい笑みを浮かべる福子と、それを見つめる義男のせつない姿が切り取られている。一方、妖艶な魅力を放つ福子のそばで、彼女の手を取る伊守との2ショットも到着。さらに、つげと言えばこの人、といえる竹中直人が演じる尾弥次とともに、義男と福子が車に乗り込み、どことなく緊張感を漂わせる1シーンも解禁。ほかにも、自室からなにかを必死に覗き見ようと義男の姿など、本編への期待と想像が膨らむ場面写真の数々が公開された。
解禁となった場面写真からは、ほぼ全編を台湾で撮影したからこその、異国情緒溢れる世界観が堪能できるのもポイントだ。2023年3月に、劇中のほとんどのシーンを台湾中部の嘉義市で撮影した本作。劇中の1シーンを切り取っただけであるはずの画像の端々からは、昭和初期の日本を感じさせるレトロな町並みが残る嘉義市の趣ある風景の中に、片山監督が生みだした本作の世界が溶け込んでいることが伺える。
台湾での撮影には、『キングダム』(19)、『コンフィデンスマンJP』(19)といった作品で、台湾、中国、香港でのロケに協力してきた劉士華がプロデューサーとして参加。義男の部屋には、『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』(12)も担当した美術、質感(エイジング)師の陳新發が“汚し”を施している。また、美術には、ジュノ監督の『TOKYO!』(08)で片山監督と現場をともにした磯貝さやかがクレジットされており、現地のロケーションを台湾のスタッフが映画美術として具現化していく見事なコラボレーションが実現した。
つげならではのシュルレアリスム作品「雨の中の慾情」をベースに、片山監督はどのようなラブストーリーを創出したのだろうか?観客の脳、目、耳、心をかつてない映画体験へと叩き込む衝撃作に期待が高まる。
文/鈴木レイヤ