名優マイケル・ケインの必見作を一気にチェック!オスカー受賞作から「ダークナイト」3部作、引退を飾る『2度目のはなればなれ』まで
近年の代表作はやっぱりこれ!バットマンを支える忠実な執事
2000年代に入ると、ゲイの美容コンサルタントを演じた『デンジャラス・ビューティー』(01)や、政治的な陰謀に巻き込まれる英国人ジャーナリストを演じて19年ぶりにアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『愛の落日』(02)など、役の振り幅がこれまでにも増して広くなっていく。
そんな折、ケインはキャリア後期をより実のあるものとしてくれる名監督とめぐり逢うことになる。それは先日『オッペンハイマー』(23)で悲願のアカデミー賞監督賞を獲得したクリストファー・ノーラン監督だ。彼が手掛けた「バットマン」映画である「ダークナイト」シリーズで、ケインはブルース・ウェイン/バットマンの忠実な執事アルフレッド・ペニーワース役を演じた。
世界的にメガヒットを記録した同シリーズにおいて、主人公の父親代わりであり、内面の葛藤を理解して支え続けるアルフレッドは、作品のドラマ性を高める感情面での核としての役割を果たしている。特に完結作である『ダークナイト ライジング』(12)で涙を見せるシーンは多くの観客の心に刻まれ、終幕を締めくくる重要な要素になったといえよう。
ちなみにノーラン監督とは「ダークナイト」3部作以外にも、『プレステージ』(06)や『インセプション』(10)、『インターステラー』(14)、カメオ出演を果たした『ダンケルク』(17)、そして『TENET テネット』(20)と、計8作品でタッグを組んでいる。
キャリアの集大成となる引退作は、実話を基にした感動作に!
そして昨年10月、地元イギリスのラジオ番組に出演し、俳優業からの引退を表明したケイン。そのキャリアの締めくくりを飾る引退作となった『2度目のはなればなれ』は、老人ホームで余生を過ごす老夫婦の感動的な実話を基にした作品。本作でケインは、第二次世界大戦のノルマンディ上陸作戦から70年の記念式典に参加するために老人ホームをひとりで抜けだした89歳の退役軍人バーニーを演じている。
なんの前触れもなくフランスへ旅立ったバーニーに隠された過去と、彼が必ず戻ってくると信じる妻レネとの揺るぎない夫婦愛。笑いと涙、そして心温まる出会いに満ちた物語は、ケインの俳優人生の集大成となるにふさわしい一本だ。2度観たくなることまちがいなしの本作。ぜひとも劇場で、スクリーンを彩り続けた名優の最後にして至高の演技を目に焼き付けてほしい。
文/久保田 和馬
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