魔王が主人公で異世界を蹂躙?邪道を突き進む「オーバーロード」のおもしろさ
魔皇ヤルダバオトに攻められた聖王国を救うためにアインズが立ち上がる?
さて、最新作となる『聖王国編』はテレビアニメ第4期の続編なのか?実はそうではない。本作は第4期の第7話と8話の間に起きた事件を描くエピソードになっている。
舞台となるのは、デミウルゴスが変装した姿である“魔皇ヤルダバオト”に襲撃されたローブル聖王国。国の窮地に聖王国はアインズ・ウール・ゴウン魔導国に救援要請を行い、アインズが直々に向かうことになる。つまりアインズたちにとってはマッチポンプ(自作自演)なのだが…二転三転していく事態を彼はどう収めるのだろうか?
聖騎士団長であるレメディオス(声:生天目仁美)や騎士団の従者ネイア(声:青山吉能)といった聖王国の人々の視点とデミウルゴスの計画に応えようとするアインズ、それぞれの苦悩や葛藤、思惑を軸に物語は進んでいく。本作の鍵を握るネイアの動向や、デミウルゴスの智略、劇場版ならではの迫力ある映像で描かれるアインズの戦闘シーンは特に必見だ。
勇者が魔王を倒す。正義が悪を打ち破る。そんな勧善懲悪、予定調和の王道物語に飽きた人や、新鮮な切り口の物語を求めている人にこそ勧めたいダークファンタジー「オーバーロード」。まだ観たことがないという人も、『聖王国編』をきっかけにアインズたちの足跡を辿ってほしい。
文/リワークス(加藤雄斗)
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