巨匠フランシス・フォード・コッポラを叔父にもつ映画一族に生まれ、32歳でアカデミー賞主演男優賞を獲得。一見すると取っ付きづらそうに思えてしまうその経歴とは裏腹に、娯楽大作はもちろんのことインディペンデントのB級映画にも出演し、なんとも親しみやすいルックスも相まって日本でも多くの映画ファンから愛され続けている個性派俳優、それがニコラス・ケイジだ。
1990年代に名実共にハリウッドを代表するスターの一人としてその名を轟かせたケイジ。紆余曲折があったこの十数年の間だけで50本近くもの作品に出演し、いまや出演映画の本数はなんと110本以上にものぼる。そこで本稿では、映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」を参考に、これまでケイジが出演してきた映画作品のなかから批評家の評価が特に高い10作品を一挙にピックアップ。そのキャリアを簡単に振り返りながら、ターニングポイントともいえる注目作品をチェックしていこう。
「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。
好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されるように。映画館に掲示されたポスターに堂々と輝くトマトのマークを見たことがある方も多いだろう。
それでは、ニコラス・ケイジ出演作の“フレッシュ”10傑を挙げていこう。
98%フレッシュ『レッド・ロック 裏切りの銃弾』(92)
97%フレッシュ『PIG/ピッグ』(20)
93%フレッシュ『フェイス/オフ』(97)
91%フレッシュ『ドリーム・シナリオ』(公開中)
91%フレッシュ『リービング・ラスベガス』(95)
91%フレッシュ『赤ちゃん泥棒』(87)
90%フレッシュ『アダプテーション』(02)
90%フレッシュ『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』(17)
89%フレッシュ『月の輝く夜に』(87)
87%フレッシュ『グランド・ジョー』(13)