『うちの弟どもがすみません』に「イタズラなKiss」、『ママレード・ボーイ』…ひとつ屋根の下でドキドキ!!同居生活×ラブコメの親和性
親の再婚をきっかけに、突然4人のイケメン弟たちと同居生活を始めることになった女子高生の奮闘を描く『うちの弟どもがすみません』(公開中)。原作は現在、「別冊マーガレット」で連載中のオザキアキラによる大ヒット同名コミック。個性の異なる4人の弟たちと繰り広げるハートウォーミングな日常ドラマと、姉×弟という立場のなかで生まれた予期せぬ恋のドキドキを一度に味わえる“ひとつ屋根の下”ラブコメディだ。
同じ家に暮らすことになった男女が、慣れない同居生活を通して、様々な出来事を共に経験しながらしだいに惹かれ合っていくという展開は、古くから根強い人気を誇る王道ラブストーリーの型の1つ。同居=ゼロ距離ならではの親密感、共同生活で起こりがちなハプニング、表向きの顔と無防備な素顔の両方を見ることができるギャップ萌えなど、同居ラブコメものには、とかく胸キュン要素がいっぱい詰まっている。本コラムでは、“同居生活”をキーワードにした、これまでの恋愛映画とその魅力を振り返っていきたい。
一途でまっすぐなヒロインが魅力「イタズラなKiss THE MOVIE」
1990~1999年まで「別冊マーガレット」で連載された、多田かおるの原作コミック「イタズラなKiss」が原作。2016年に『イタズラなKiss THE MOVIE〜ハイスクール編〜』として実写映画化され、2017年1月に『イタズラなKiss THE MOVIE2〜キャンパス編〜』、同年11月に『イタズラなKiss THE MOVIE 3 ~プロポーズ編~』が公開された。
高校3年生の琴子(美沙玲奈)は、2年間片想いしていたIQ200の天才、入江直樹(佐藤寛太)に告白するも撃沈。そのうえ追い討ちをかけるように、欠陥住宅だった自宅が倒壊してしまい、急遽父の親友の家に親子で身を寄せることに。しかし、その居候先の家の長男はフラれたばかりの相手、入江君だった…!ドジで明るい琴子と、頭脳明晰でスポーツ万能な入江君の凸凹コンビのやりとりが楽しいドタバタラブコメ。ドSな性格で、琴子を冷たくあしらっていた入江君が、毎日一緒に過ごすうちに少しずつ琴子を好きになっていく過程にキュン。琴子の恋を応援する最大の味方が、入江君のママというのも頼もしいポイントだ。
エキセントリックな家庭環境のなかで愛を育む『ママレード・ボーイ』
主人公の少年少女が同居する理由の定番といえば、親の再婚。そのなかでもとりわけ奇抜な設定だったのが、1992~1995年まで「りぼん」で連載された吉住渉の原作コミックを、ラブストーリーの名手である廣木隆一監督が実写映画化した『ママレード・ボーイ』(18)だ。
小石川夫妻の娘、光希(桜井日奈子)と、松浦夫妻の息子、遊(吉沢亮)は同い年の高校生。ある日、旅先で出会った両親同士が恋に落ち、お互いのパートナーを交換して再婚。しかも、6人そろって同じ家に暮らすことになる。眠っている光希に、遊がそっとキスをするが、実は彼女は起きていた…など、胸キュンのエピソードが続いていくなか、実は2人が異母きょうだいかもしれないという疑惑が生まれたことでグッとシリアスな展開になるのが大きな特徴。苦悩の末、たとえ血がつながっていても…と想いを貫こうとする2人の覚悟がせつない。本作がラブストーリー初主演だった吉沢亮の圧倒的なビジュアルの美しさも必見。