『うちの弟どもがすみません』に「イタズラなKiss」、『ママレード・ボーイ』…ひとつ屋根の下でドキドキ!!同居生活×ラブコメの親和性
クセ強な4人の弟たちとの家族愛に心温まる『うちの弟どもがすみません』
今回公開される『うちの弟どもがすみません』のヒロイン、高校2年生の糸(畑芽育)が同居することになる相手は、同級生の長男をはじめとする全員イケメンの4人の弟たち。さらに同居開始早々、再婚したばかりの両親は、父の転勤で2人そろって引っ越してしまい、残ることを決めた糸はいきなり姉弟5人での暮らしを余儀なくされる。
かっこいい男の子がたくさん出てくるイケメンパラダイス的作品は、同居ラブストーリー作品に負けず劣らず、もともと女性が大好きなジャンル。“ひとつ屋根の下”ラブコメד家庭内”イケパラという2つの人気要素を掛け合わせたハイブリッドである点が、本作の大きなポイントである。
クールに見えるものの、実は誰よりも家族想いで優しい長男、源を演じるのは、“HiHi Jets”の作間龍斗。兄弟のなかで一番冷静でしっかり者の次男、洛役には、“美 少年”の那須雄登。繊細な心の持ち主で、引きこもり中の三男、柊役に、“少年忍者”の織山尚大。素直で人なつっこい四男、類役に、2023年に芸能活動を開始したばかりの11歳の内田煌音が抜擢された。4兄弟の間を流れる空気に、家族らしい気心の知れたリラックス感があるのは、全員同じ事務所に所属しているという関係性ならでは。4人それぞれのビジュアルや雰囲気も、原作のキャラクターのイメージにぴったりで、「うち弟」のほっこりした世界観を盛り上げている。
4兄弟がお風呂上がりに上半身裸のままウロウロしたり、朝目覚めると、部屋を間違えた源がベッドの隣で寝ていたりと、同居恋愛ものではお約束のドキドキなハプニングもたくさん。といっても、テイストはコメディに振っていて、義姉弟の恋愛作品につきものの背徳感や禁断感はナシ。そもそも保護者不在のシチュエーションでありながら、子どもだけで計5人という大所帯。末っ子は小学生だし、引きこもりの悩める中学生もいるという設定ゆえに、ラブ一色ではなく、温かい家族愛や兄弟同士の絆をベースにしているところが魅力だ。
糸が惹かれていく源は、ぶっきらぼうだけど、4兄弟の長男として弟たちを守らなければという意識が強い責任感のある男の子。ずっと面倒を見る側で生きてきたせいで、誰かに頼ったり、甘えたりすることができない彼のことを、オカン気質の糸が放っておけなくなる気持ちはよくわかる。ヒロインばかりが甲斐甲斐しく家事をすることをよしとせず、家族なんだから一緒にやるのが当たり前と、スーパーへの買い出しや料理など、積極的に家事に取り組むヒーロー像もまた、令和版にふさわしい同居ラブコメといえる。
誰もが憧れるイケメンと、なぜかしかたなく同居するという設定のラブストーリーは、現実ではなかなか行動に出せないけれど、本当はかっこいい男の子とお近づきになりたい、そして、あわよくば、自分を好きになってほしい!と願う世の女性の妄想を満たしてくれる極甘ファンタジー。難しいことは考えず、ヒロインに感情移入しながら、恋愛のスリルとときめきを味わおう!
文/石塚圭子
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記