『映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」』は子ども向けかと思いきや、実は大人に響いた!「『幸か不幸かは自分次第』という言葉が胸に刺さる」
悪意を吸い取る、欲望が爆発!…クセのあるキャラクターに「おもしろいけど怖い!」の声が続出
続いて、本作のキャラクターに触れておこう。天海祐希扮する駄菓子屋「銭天堂」の店主、紅子について、「紅子さんが人の悩みを聞いて、それにあったもの(駄菓子)を出して幸せにするところがいい」(小学3年生・女子)、「アニメで見たままの再現でビックリ」(40代・女性)、「さすが天海祐希さん、紅子を良く表現されていました」(50代・女性)と絶賛する声が挙がったが、その声に匹敵するほど「怖かった」というコメントが多かったのが、上白石萌音演じる、よどみだ。
よどみは紅子をライバル視する謎の駄菓子屋「たたりめ堂」の店主で、相手の心の隙につけこみ、よからぬことを企んで人々を惑わせる。客から悪意を吸い取り、エネルギーにするという癖のあるキャラクターだ。そんなよどみには、「とてもおもしろかったけど、よどみが怖かったです」(小学2年生・女子)、「上白石萌音さんが演じたよどみのシーンすべてドキドキします!」(小学6年生・女子)との声が続出。大人からも「よどみの他人の不幸は蜜の味というのが人間っぽくて好きです」(40代・男性)、「迫力の演技で怖さがものすごく伝わった」(40代・女性)と上白石の演技を高く評価する声が。
さらに、そんなよどみの餌食となるのが、小太郎の後輩で、ファッション誌の編集者となり悪銭苦闘している、伊原六花演じる相田陽子という“いまどき”の女性だ。「周囲から認められたい」という承認欲求を体現した姿には「欲望のおそろしさを表現しているところは興味深い」(40代・女性)、「たたりめ堂のお菓子を食べて狂っていくシーンが恐ろしくて印象に残った」(30代・女性)、「誰でもこうなるのは紙一重だと思う」(40代・女性)というコメントが集まった。
このように、『映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」』では、駄菓子の力に溺れてしまい欲を出しすぎてしまった人たちがひどい目に合っていく様も描かれている。そんな人間の“願い”の暴走を描いている点が、子どもだけでなく、大人たちの関心を集めた一因と考えられる。
一方で、本作には、「生徒を守る気持ちが強い」(小学4年生・女子)、「地道な努力が大事だと生徒に諭していたシーンにグッときた」(30代・女性)という声が集まった大橋和也扮する教師の小太郎や、美大受験に向けて奮闘する小太郎の妹、まどかといったまっすぐな志を持つキャラクターも登場。彼らの欲望との向き合い方には“願い”を暴走させないヒントが隠れているのかもしれない。彼らに寄り添いあと押しする紅子の姿にも注目だ。