「大人になったからこそわかる、土井先生の人間力…」映画ファンが『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』への止まらない愛を語る!
「いつも優しい土井先生の本気の戦闘が、圧倒的に強すぎる…」
加世田「でもやっぱり、見どころは六年生と天鬼のバトルシーンじゃないですか?」
木庭「わかる…!」
橘「ドクタケ忍者隊に、新たに加わったという最強の軍師。見るからに土井先生ではあるのですが、頭脳だけでなく実戦もめちゃくちゃ強くてびっくりしましたね。いつも敵の攻撃をはねかえしている出席簿のかわりに、ドクタケ忍者隊の冊子で応戦するのですが、そのスピード感が、冒頭で諸泉尊奈門(土井半助をライバル視していつも決闘を申し込むタソガレドキ忍者)を相手にしていた時とは段違いで、いつもは相手を傷つけないよう、土井先生が手加減をしていたんだなということがわかる」
加世田「天鬼一人に対して、六年生が6人がかりで挑んでもまるで太刀打ちできない。6人が立て続けに攻撃を受けて、目まぐるしく場面が移り変わるから混乱しそうなものなのに、天鬼の圧倒的な強さだけが、ありありと浮かび上がってくる。アニメの作画としても、すさまじさを感じました」
木庭「すでにもう一度観たい気持ちでいっぱいなんですけど、とくに観返したいのはやっぱり、このアクションシーン。私、六年生の(善法寺)伊作くんが好きなんですけど、どうやらこの戦いで髪を切られたっぽいんですよね。その後、学園長先生や山田先生に報告しにいった時『あれ⁉』と」
加世田「すごい!気づかなかった」
木庭「あと、私は尊奈門さんの上司である雑渡(昆奈門)さんも好きで。後半、彼が利吉くん(山田先生の息子で、フリーの忍者)たちと闘う時、なんとなく本気を出していないような気がしたんですよね。たとえば空中戦で、真下に叩き落すのではなく、あえて衝撃を和らげるような落とし方をしていて、いつだってとどめをさせるのに、あえてやらないようにしているんじゃないかなと」
加世田「雑渡さんは、ちょっとずるいくらいカッコいいんですよね。最初は尊奈門のせいで土井先生が失踪したかもしれないから、不始末の責任をとるつもりで忍術学園に協力して。でも裏ではちゃんと、タソガレドキ忍者の組頭として計略を働かせていて…。最後の最後に、あんなふうに『持ってっちゃう』とは」
木庭「雑渡さんって、36歳なんですよね…(笑)。頭がキレる感じも含めて、彼の描かれ方は大人こそ心揺さぶられるんじゃないでしょうか」
橘「そもそも忍者が好きな私にとっても、雑渡さんは胸をつかまれるキャラクター。実は、彼の出てくるエピソードをアニメで観たことはなく、今作で初めて知ったのですが、細かい説明がなくても彼がどういう存在で、忍術学園とどういう関係なのか、緊張感とともに伝わってきました。『忍たま乱太郎』は、戦国時代における市井の描写だけでなく、実際に歴史上を生きてきた存在としての忍者の描き方に、リアリティがあるところがとても好きなんですよね」
加世田「私は六年生の(潮江)文次郎くんが好きなのですが、彼が天鬼と闘う直前、そのへんにあるもので武器を仕立てているのが、忍者っぽくてかっこいいなと思いました。私は忍たまでしか忍者の知識を得たことはないけど(笑)。でもなんとなく、忍者の本来の仕事はスパイ…諜報活動だったんじゃないかなと思うんですよね。手裏剣を打ったり、戦うことが本質ではない」
橘「すごい洞察力です」
加世田「だから、忍務にあたっている時も、武器を持ち歩いていないことがあるかもしれない。そんな時は、その場で手に入るものを使ってどうにかする。そこで真価を問われるんだろうなと思っていたので、六年生たちのそういう姿が観られたのも、テンションがあがりました」
木庭「なかなか土井先生を見つけることができなくて、捜索の仕方を変えるかどうかで口論していたあたりも、ぐっときました」