2025年東宝ラインナップを総まとめ!細田守監督の最新作から「コナン」「鬼滅の刃」「TOKYO MER」など期待作盛りだくさん
「2025年東宝配給作品ラインナップ発表会見」が昨年12月にTOHOシネマズ日比谷で行われ、東宝が送りだす今後のラインナップが明かされた。2024年の邦画・洋画あわせた業界全体の年間興収は2000億円前後というなか、東宝は2023年の12月から2024年11月まで29本の作品を配給し、13本のTOHO NEXT配給作品とあわせて歴代最高となる興収900億円を叩き出している。今年は、細田守監督による4年ぶりの最新作『果てしなきスカーレット』(冬公開)や、脚本の坂元裕二と塚原あゆ子監督がタッグを組んだ『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開)、人気ドラマの劇場版『トリリオンゲーム』(2月14日公開)など、アニメも実写も話題作がズラリと顔を揃えており、昨年の記録更新となるのか期待が集まるところ。そんな注目のラインナップをチェックしてみよう。
『劇映画 孤独のグルメ』(1月10日公開)
原作の久住昌之、作画の谷口ジローによるハードボイルドグルメ漫画を原作とし、2012年からテレビ東京系列で放送されている人気ドラマの劇場版。輸入雑貨商を営む主人公、井之頭五郎(松重豊)が、営業先で訪れた土地で見つけた食事処にふらりと立ち寄り、食べたいものを独り自由に食す様子を1話完結で淡々と描いたドラマは、食欲をそそる料理と松重演じる五郎の大胆な“食べっぷり”や“心の声”に多くの共感が生まれ、その魅力にハマる人が続出。このたびテレビ東京開局60周年特別企画として、『劇映画 孤独のグルメ』となって登場する。松重が監督、脚本、主演を務めた。
劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(1月17日公開)
「エヴァンゲリオン」シリーズを手掛けるスタジオカラーとガンダムシリーズを手掛けるサンライズが届ける新たなガンダムシリーズ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」のテレビシリーズの放送に先駆け、一部話数を劇場上映用に再構築して上映する劇場先行版。2021年公開の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』をはじめとする「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズで監督を務めた鶴巻和哉が監督を務め、シリーズ構成の榎戸洋司、メカニカルデザインの山下いくとら豪華スタッフが参加。メインキャラクターであるアマテ・ユズリハ(マチュ)役を黒沢ともよ、ニャアン役を石川由依、シュウジ・イトウ役を土屋神葉が演じる。
『アンダーニンジャ』(1月24日公開)
花沢健吾の同名コミックを、山崎賢人を主演に迎えて映画化する現代忍者エンタテインメント。2023年には地上波でテレビアニメ化もされたコミックを、福田雄一のメガホンによって斬新なアクションとコメディを駆使して実写化する。忍者組織「NIN」の末端であり、重大な“忍務(にんむ)”を任されることとなる雲隠九郎(山崎)と、忍者たちの戦いに巻き込まれていく女子高生、野口彩花(浜辺美波)の運命を描く。山崎と福田監督のタッグは、『斉木楠雄のΨ難』(17) 、『ヲタクに恋は難しい』に続き3度目。浜辺は山崎と初共演、福田組にも初の本格参加を果たした。
『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開)
『怪物』(23)で日本映画初となるカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した坂元裕二と、『ラストマイル』(24)の大ヒットでも記憶に新しい塚原あゆ子監督がタッグを組んだラブストーリー。事故で夫を亡くした妻がひょんなきっかけからタイムトラベルする術を手に入れ、亡くなったはずの若かりし姿の夫ともう一度恋に落ち、15年後に事故死してしまう彼を救うことを心に決める。「カルテット」「大豆田とわ子と三人の元夫」など坂元裕二ワールドと親和性のある松たか子が妻のカンナを演じ、亡くなってしまった夫を人気グループSixTONESのメンバーとして活動する一方、俳優としても活躍する松村北斗が務める。
劇場版『トリリオンゲーム』(2月14日公開)
2023年に放送された連続ドラマ「トリリオンゲーム」の劇場版。原作は、累計発行部数210万部を突破する「ビッグコミックスペリオール」で連載中の人気漫画。ワガママで人たらしの“世界を覆すハッタリ男”のハルと、気弱で心優しい“凄腕エンジニア”のガクがという正反対の2人がタッグを組んでゼロから起業し、友情パワーと予測不能な作戦で1兆ドル(トリリオンダラー)を稼いで、この世のすべてを手に入れようと成り上がる姿を描く。主人公のハルこと天王寺陽を目黒蓮、ガクこと平学を佐野勇斗が演じる。またドラマから引き続き、今田美桜、福本莉子、吉川晃司、鈴木浩介、津田健次郎、竹財輝之助、原嘉孝、あかせあかり、國村隼ら個性豊かなキャストが再結集。さらに劇場版キャストとして、石橋凌、シシド・カフカ、田辺誠一が参戦する。
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(3月7日公開)
「映画ドラえもん」シリーズの45周年記念作品。完全オリジナルストーリーとなる本作の舞台は、絵に描かれた壮大な中世ヨーロッパの世界。幻の宝石をめぐって、ドラえもんたちが時空を超えた大冒険を繰り広げる。数十億円の価値がある絵画が発見されたニュースを横目に、夏休みの宿題である“絵”に取り組むのび太。その前に、突然絵の切れ端が落ちてきた。ひみつ道具「はいりこみライト」を使い絵のなかに入って探検していると、不思議な少女クレアと出会う。彼女の頼みを受けて“アートリア公国”を目指すドラえもんたちだったが、そこはニュースで話題の絵画に描かれた中世ヨーロッパの世界だった。主題歌アーティストは大のドラえもんファンであるあいみょんに決定。ドラえもんへの愛にあふれた書き下ろし新曲「スケッチ」がドラえもんたちの冒険を優しく包み込む。
『お嬢と番犬くん』(3月14日公開)
2018年12月より講談社「別冊フレンド」で連載が開始し、2023年9月からはテレビアニメも放送された、はつはるによる同名コミックを実写化したロマンティックコメディ。極道の孫娘であることを隠し、平凡な恋と青春をすることを固く心に決めたヒロインと、彼女のお世話係で過保護すぎるがゆえに身分を偽って、彼女の“番犬”としてボディーガードをするために学校に裏口入学してしまう若頭との恋愛模様を描く。主人公の女子高生で瀬名垣組の孫娘、瀬名垣一咲には、近年目覚ましい活躍を見せる若手女優の福本莉子。瀬名垣組若頭の宇藤啓弥役をSixTONESのメンバーであり、バラエティから俳優まで幅広いジャンルで飛躍を続けるジェシーが演じる。
『少年と犬』(3月20日公開)
ノワール小説の旗手として日本の文学界の先頭を走り続ける馳星周が2020年に発表、第163回直木賞を受賞し、現在までに累計発行部数50万部を突破している名作を映画化。大切な人に会うために岩手県釜石から彷徨ってきた1匹の犬“多聞(たもん)”が、西の方角を目指して日本を縦断する旅路で出会った、人々との心の交流を描く。“多聞”と共に旅をする青年、和正役を高橋文哉が、“多聞”に命を救われる女性、美羽役を西野七瀬が演じる。『ラーゲリより愛を込めて』(22)や『糸』(20)、『64-ロクヨン-前編/後編』(16)など骨太な社会派ドラマから恋愛物語まで幅広いジャンルで、繊細で丁寧な演出に定評がある人間ドラマの名手、瀬々敬久が監督を務める。