史上最強、“槌手王”ヘルムの角笛が響きわたる!『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』SPOT映像
最終章『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』(03)がアカデミー賞最多受賞を果たした「ロード・オブ・ザ・リング」三部作。そこから遡ること200年前の英雄譚をアニメーション映画化した『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』が12月27日(金)より公開される。本作より、ローハン国史上最強のヘルム王にスポットを当てた特別映像が到着した。
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作を手掛けたピーター・ジャクソンが製作総指揮を務め、「東のエデン」や「攻殻機動隊S.A.C.」、「精霊の守人」の神山健治に監督が託された本作。騎士の国ローハンを舞台に、若き王女ヘラ(声:小芝風花)が王国の平和と民の未来を守るため、国の命運をかけた戦いに挑んでいく。
原作はJ・R・R・トールキンが「指輪物語 追補編」に記したローハンの知られざる物語。「ロード・オブ・ザ・リング」の時代にローハンを治めたセオデン王(バーナード・ヒル)の先祖に当たる初代国王エオルの血統を継ぐヘルム王の伝説的な戦いが映しだされる。
今回到着したのは、第二部『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』(02)におけるサルマン軍とローハン軍が戦う角笛城の合戦シーンを交えたSPOT映像。冒頭には、絶望していたセオデン王が、栄光ある死のため、ローハン、その民のために反撃する名場面が収められている。「槌手王ヘルムの角笛が峡谷に響きわたる!いまを最後として」と、セオデン王が放つ名言に刻まれているように、200年後のローハンでもヘルム王の歴史が存在していることが伺える。ちなみに、角笛城の城内へ入る階段右手に立っている石像はヘルム王。その手にはハンマーが握られ、伝説として語り継がれているにふさわしい出で立ちだ。本作でも角笛城での戦いが繰り広げられ、“ヘルム峡谷”の由来が明かされるなど、シリーズとの強いつながりを感じさせる。
ヘルム王は偉大な強さを持つ厳格な男として描かれている。長身でたくましく、槌のような腕力を持つ一方、子どもたちの存在は彼の最大の強みでありながら、同時に弱みでもあるという複雑な父親の側面を持つ。脚本を担当したフィービー・ギッティンズはその人物像をさらに掘り下げ、「ヘルムには子どもたちという弱点があります。彼がすることはいつも子どもたち、特にヘラを気遣ってのことです。ヘルムの人生の旅路において、ひいては父親として重要なことは、いつもヘラを守ってやれるわけではないと気づくことです。彼は一歩引いて娘の力を信じ、彼女自身に自分で選択できるようにさせることを学ばなければなりません」と説明する。
激しく荒々しいエネルギーの持ち主で統治者としての役割を果たしつつも、同時に愛情深い父親でもあるという、多面的な人物像であるヘルム王。それは実写映画のローハンでも描かれていたセオデン王と姪のエオウィン姫(ミランダ・オットー)の関係性にも通ずる。このような複雑な人物像を持つヘルム王と彼の娘ヘラの関係性の変化、そして父と娘の絆が物語の重要な鍵となっている。
「ロード・オブ・ザ・リング」とのつながりという意味でも重要な『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』。壮大な英雄譚をぜひ劇場で目の当たりにしてほしい!
文/平尾嘉浩