齋藤飛鳥演じるアイが2000人以上のエキストラを魅了!“伝説のライブ”が生まれた「【推しの子】」撮影現場に潜入
アイが2000人以上のファンを魅了!伝説のライブが誕生
初代「B小町」のライブシーンは、アイドルとしての輝きを観客にも届ける大事なシーンとなる。撮影は、2024年2月に平塚総合体育館で行われた。観客役として集まったエキストラは、2000人以上に上る。ロケ地にはセンターステージが設置され、360度にわたってぐるりと、うちわやサイリウムなど応援グッズを掲げた観客がそれを囲う。これによって、カメラがどこから捉えても彼女たちの後ろにはファンの姿が映ることになる。
ライブの盛り上がりを映しだすためにはファンの熱気が欠かせないと考えていた制作陣は、スタッフのなかにいたアイドルグループファンを見つけ、彼を中心にオタク文化に精通するライブ演出の組織編成を行い、エキストラへのコールや掛け声のレクチャーを行える撮影環境を整えた。初代「B小町」のメンバーがステージに上がる前からスタッフたちによる熱心なレクチャーが重ねられていたが、2000人以上ものエキストラをまとめ上げるのは、至難の業。手作りの大型カンペや全力の実演を交えながら、楽曲に合わせたコールやサイリウムの振り方を伝え、ぐんぐんと一体感を作り上げていく様子には胸を打つものがあった。
そしていよいよ、齋藤をはじめとして、メンバーたちが演じる初代「B小町」のパフォーマンスがスタート。大きな拍手や指笛とともにステージに迎えられた全メンバーは、うれしそうな笑顔を見せた。ライトを受けてキラキラと光を放つ齋藤の姿は、「アイがそこにいる!」と震えるような存在感たっぷり。エキストラからも「アイだ…」という声が漏れ聞こえてきた。
この場で披露された楽曲は、実写プロジェクトのオリジナル楽曲となる「我ら完全無敵のアイドル!!」。躍動感あふれるダンスはすべてのポーズが見事に決まり、一瞬にして会場全体を惹きつけてしまう笑顔&オーラも、齋藤がこれまで培ってきた経験があるからこそ表現できるもの。どれだけテイクを重ねてもパフォーマンスに乱れは見られず、振り付けを担当したコレオグラファーのyurinasiaは、のちに「齋藤さんは振り付けを覚えるのもとても速く、現場にいたアシスタントも『レベチだ…』と驚いていました」と証言している。指先や揺れる髪の先まで伝説的アイドルとしての説得力がにじみ、曲が終わるごとに観客から「アイちゃーん!」という歓声が起きただけでなく、スタッフも思わず拍手。「完全無敵のアイドル、だぞっ!」と歌う歌詞もうなずきたくなるほどハマっており、会場のボルテージも上がりっぱなしだ。
アイを象徴するようなピンクのアイドル衣装のフリルが、美しい揺れを見せていたことも印象深い。スカートには何層にもフリルが施され、360度どこから見ても“かわいい”が詰まっている。アイドル衣装を担当したのは、「乃木坂46」や「CY8ER」など数々のアイドル衣装を担ってきた成田あやのと小鳥遊大地。原作者である横槍の描いたピンク色を再現するような、理想の生地は既存のものでは見つけられず、白の生地から染めてピンク色の衣装を作り上げたという。
また撮影の奥平功と照明の渡辺良平を中心に、ライブチームと「伝説のライブを撮りましょう」という合言葉を掛け合って、撮影に挑んだとのこと。普段ライブを撮っているカメラを用意し、初代「B小町」のメンバーの表情を余すことなく捉えるために、360度にカメラを配置。クレーン撮影も行うなどさまざまなアングルにトライした。すべてをまとめ上げたのは、これまでもライブ撮影やMVを手がけてきた、スミス監督。スミス監督も獲得してきた知識と経験、全精力を注ぎ込み、圧巻のライブシーンを作り上げた。ドラマ&映画のワンシーンといえど、原作リスペクトを第一にしながら「本物のライブ作る」という気合いが端々からビシビシと感じられた。ぜひスクリーンで、本物のアイドルとしての輝き、本物の会場の熱気と歓声を体感してほしい。