齋藤飛鳥演じるアイが2000人以上のエキストラを魅了!“伝説のライブ”が生まれた「【推しの子】」撮影現場に潜入
アクアとカミキの対峙、「B小町」の成長…原作リスペクトと実写ならではの魅力にあふれたシーンが満載
原作は、他に類を見ない斬新な設定や心の底までを抉り出していくような感情表現、キャラクターの個性やオーラまでが刻まれた作画など、衝撃とともに社会現象を巻き起こした漫画だ。全8話のドラマシリーズと映画『【推しの子】-The Final Act-』によって、そのクライマックスまでを描き切るという壮大なプロジェクトとなったが、どこにおいても原作へのリスペクトが感じられることも大きな話題となっている。
アクア役の櫻井海音は、本作でドラマ単独初主演&映画初主演を果たし、アイへの想いを抱きつつ、犯人への復讐に突き進む役どころ気迫と共に演じた。劇場版の前夜祭イベントでは、「撮影していた期間が約1年前。オファーをいただいたのはさらに前になるんですが、その時に感じていたプレッシャーや、これだけの人気作を実写化するということに対しての怖さみたいなものから逃げなくてよかったなと、ここに立ってより強く感じています。いろいろな方にようやくお届けできることが、なによりうれしい」と感無量の面持ちを見せていた。もともと原作ファンだった彼は、ワールドプレミアでも「アクアが原作ではどういうふうに立っているのか、セリフの言い回しはどうしているのかなど、毎回確認しながら再現性を追求している毎日でした」と打ち込んだ日々について語っていた。現場で櫻井は、自分の撮影シーンがない時でもその場に残り、常に【推しの子】の世界を身に染み込ませていた。彼の作品に向き合う真摯な姿勢に刺激を受けた、背中を押されたという言葉を、何人ものスタッフから耳にした。
またアクアやルビーの前に立ちはだかる謎の男、カミキ役を二宮和也が演じていることも注目を集めている。カミキの不思議な存在感や不気味さ、内面に抱えている複雑性までを表現した彼には、公開後に芝居に対する高評価が続出。二宮の怪演が、ドラマ&映画『【推しの子】』をさらなる高みへと押し上げた。現場では「この感情だったら、こう動く」と心の動きを大切にしながら、ひとつひとつのシーンを丁寧かつ大胆に作り上げていた。公開記念舞台挨拶では、櫻井が「サイコパスという言葉では片付けられない狂気性があって、対峙したときに『カミキは二宮さんしかいない』と思った」と話すなど、二宮が実写としてのカミキを誰もが忘れ難い存在としてスクリーンに刻み込んでいる。
そして初代「B小町」を受け継いだアイドルグループ、「B小町」のお目見えにも胸が躍る。「B小町」として仲間になっていくルビー役の齊藤なぎさ、かな役の原菜乃華、MEMちょ役のあのによるコンビネーションも抜群で、応援したくなるアイドルとして「B小町」の魅力を鮮やかに体現している。レッスンに励んだ歌やダンス、楽曲やアイドル衣装も見応えがあり、グループの成長、友情には目頭が熱くなること必至。黒川あかねを演じた、茅島みずきも“恋愛リアリティーショー編”など、ストーリーのポイントポイントで物語全体のムードを担う活躍をしていた。他にもキャリア充分の大人キャストを含め、「このキャラクターを演じるのは、この人しかいない」と思わせてくれるような高揚感を味わえるはず。
撮影現場ではキャスト、スタッフの誰もが強い原作愛を胸に抱き、源である原作に忠実に【推しの子】の世界を突き詰めていた。そしてプレッシャーと戦いながらも、興奮に近いワクワク感を携えていた。隅々まで込められたその熱量が、ドラマ&映画『【推しの子】』の特別なきらめきとなっているのだろう。
『【推しの子】』全8話のドラマシリーズは、Prime Videoにて世界独占配信中。その続きとなる映画『【推しの子】-The Final Act-』は全国公開中。
取材・文/成田おり枝