キム・ゴウン、チョン・ヘイン、ピョン・ウソク、コ・ミンシ…映画ライターが選んだ2025年注目の韓国スターたち

コラム

キム・ゴウン、チョン・ヘイン、ピョン・ウソク、コ・ミンシ…映画ライターが選んだ2025年注目の韓国スターたち

2025年5月に兵役から復帰予定!“韓国のポール・メスカル”イ・ドヒョン

『破墓/パミョ』では全身にお経のタトゥーを入れた巫堂を演じたイ・ドヒョン
『破墓/パミョ』では全身にお経のタトゥーを入れた巫堂を演じたイ・ドヒョン[c] 2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.

『破墓 パミョ』のタトゥーだらけの巫堂ボンギル役が素晴らしかったイ・ドヒョンは、2025年の兵役明けにどんな作品に出演するのか本当に楽しみ。ドラマ・映画の作品選び審美眼や年の頃から、勝手に“韓国のポール・メスカル”と思ってます。

またスペシャル・メンションとしてコン・ユを。すでに大スターですが、「イカゲーム」シーズン2でさらに大注目を集めることでしょう。クリストフ・ヴァルツ、マッツ・ミケルセンのように、ハリウッド映画でヴィランを演じてほしい。
(ライター・平井伊都子)

演技力の高さは随一!いま最も注目される若手女優コ・ミンシ

コ・ミンシが謎めいた女性を演じた「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」
コ・ミンシが謎めいた女性を演じた「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」[c]Netflix

2024年は映画『密輸 1970』、ドラマ「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」で全く異なるキャラクターを演じながらも印象深い存在感を示したコ・ミンシ。というわけで、先に挙げたイ・ドヒョンと共演したドラマ「5月の青春」をおすすめ。光州民主化運動を背景にした作品として、今だからこそ観ておきたい名作です。
(ライター・平井伊都子)

「智異山<チリサン>~君へのシグナル~」のキュートな新米レンジャーのコ・ミンシに惹かれていた私は、映画『密輸 1970』(23)のケバい化粧の彼女に驚いたが、韓服姿で狡い男を手玉に取る肝っ玉の据わった演技は痛快だった。かと思えば、「誰もいない森で木は音もなく倒れる」では艶めかしくも悪魔のような女を怪演し、名優キム・ユンソクを食う勢いだった。振り幅の広い役どころでキャリアを積んできたが、2025年は「あなたの味(原題:당신의 맛)」でカン・ハヌルと恋に落ちるシェフ役で主演を務める。バラエティ「ソジンの家」シーズン2で見せた料理上手な腕も生かし、いよいよロマコメ路線でも大ブレイクするか、楽しみだ。
(ライター・前田かおり)

韓国でいま最も熱視線を注がれている若手女優といえば、コ・ミンシなのではないか。筆者が彼女を初めて見たのは、Netflixドラマ「Sweet Home〜俺と世界の絶望〜」にて。劇中では、バレエをやめた反動でひねくれた女子高生を演じているが、世間を冷ややかに見ているような目力や時折見せる憂を帯びた表情はまさに思春期の少女特有の尖りや脆さを感じさせ、彼女について興味を持った。そんな視線や表情など細かいポイント一つで役が持つ空気感をダイレクトに伝える演技力は、2024年に配信された「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」でも光っている。彼女の気怠げで謎めいた芝居は、物語の不気味さや緊張感に迫る雰囲気を引き立て、同年公開された映画『密輸 1970』でも世渡り上手な喫茶店のマダムというしたたかな役をハツラツとキュートに演じ切っていて見事だった。2025年に放送予定の新ドラマ「あなたの味」にも期待している。
(ライター・AMO)

怪しく屈折したキャラクターが似合う演技派キム・ソンチョル

 「地獄が呼んでいる」シーズン2に主演したキム・ソンチョル
「地獄が呼んでいる」シーズン2に主演したキム・ソンチョル[c]Netflix

2024年、「地獄が呼んでいる」シーズン2でカリスマ教祖役を務め、注目の人に躍り出たキム・ソンチョル。演技派俳優を輩出する韓国芸術総合学校演劇科で学んだエリートでキム・ゴウン、イ・サンイらと同期。ミュージカル俳優としてデビュー後、ドラマ「刑務所のルールブック」の主人公に先輩風を吹かせる同房の囚人役で印象を残している。昨年はディズニープラスで配信された「NO WAY OUT:ザ・ルーレット」でもワケありな牧師で登場。怪しく屈折していたり、人たらしのようなキャラが似合う。2025年はスリラー映画『コメント部隊』が2月日本公開。いよいよ彼の時代が到来か!
(ライター・前田かおり)

“危うい”魅力で本格ブレイクを果たしたピョン・ウソク

「ソンジェ背負って走れ」で大ブレイクしたピョン・ウソク 
「ソンジェ背負って走れ」で大ブレイクしたピョン・ウソク [c]CJ ENM Studios Co., Ltd.

2024年、初主演ドラマ「ソンジェ背負って走れ」で、ついに世間に見つかって大ブレイクしたピョン・ウソク。私が彼に初めて注目したのは「コッパダン~恋する仲人」のト・ジュン役。190cmの長身に色白で端正な小顔は透明感に溢れて美しく、着物を着崩して、長い髪をゆるくまとめた彼はとてつもないフェロモンを発していて、作品中の彼に群がる女性たちのように一気に魅きつけられた。つかみどころの無い雰囲気も魅力的だった。「力の強い女 カン・ナムスン」では、サイコパスでありながらもナムスンに恋心を抱く役で切なさを醸し出し、『ソウルメイト』(24)では、タイプの違う2人の女子のどちらにも恋心を抱き親友関係にヒビを入れる役で、どっちつかずの曖昧さを上手く表現した。ピョン・ウソクの魅力は、そんな“危うさ”だと思う。目を離したら崩れてしまいそうな、ずっと見守っていないといけない感じ。「ソンジェ~」も、そんな彼が演じたからこそ成功したのだと思う。次回作は「21世紀の大君夫人(原題:21세기 대군 부인)で、共演はIU。「麗~花萌える8人の皇子たち~」で彼女を振って以来(笑)の共演が今から楽しみだ。
(ライター・鳥居美保)

最低夫役で日本でも人気上昇中!“TOO MUCHな男”イ・イギョン

「私の夫と結婚して」でのクズ夫役が話題になったイ・イギョン
「私の夫と結婚して」でのクズ夫役が話題になったイ・イギョン[c]tvN

「私の夫と結婚して」での、ほぼヒモ&マザコン&妻の親友と浮気…とクズ大爆発な夫役で、一気に注目度が上がったイ・イギョン。悪役なのに憎みきれないキャラは、天性のコメディセンスのアドリブによるもの。彼はギリギリコントにしない絶妙なさじ加減のコメディ演技が得意で、特にオススメなのは「ウラチャチャMy Love」の売れない俳優・ジュンキ役。とにかくいちいち大爆笑で、私が彼にハマるきっかけになった作品だ。コメディだけでなくシリアスな演技も上手く、「フェイス・ミー」では陽と陰、善と悪の二つの顔を見せて幅広い演技力を証明し、こちらも必見。2024年には自身初のファンミーティングを日本で開催。「マツケンサンバ」で客席から登場した後は、会場を走り回ってファンと交流し、ファン想いでとにかく楽しませる大サービスな公演に、イギョン沼から抜け出せなくなったファンが続出。現在、ドラマを2本撮影しながらバラエティにも出演し、その上3度目のファンミの準備も進行中(次回はダンスも披露予定)!自他共に認める“TOO MUCHな男”の2025年は、さらにフルスロットルな予感だ。
(ライター・鳥居美保)

デビューからわずか2年で主演映画が公開!成長を続ける清純派NEWヒロイン、ノ・ユンソ

『Hear me』でろう者のヒロインを演じたノ・ユンソ
『Hear me』でろう者のヒロインを演じたノ・ユンソ[c]PLUs M ENTERTAINMENT

俳優デビュー作「私たちのブルース」で思いがけぬ妊娠に戸惑う高校生を演じて注目を集め、『20世紀のキミ』(22)では主人公の親友、「イルタ・スキャンダル~恋は特訓コースで~」ではチョン・ドヨンと母娘役を演じて着実にステップアップしているノ・ユンソ。2024年は台湾映画『聴説/Hear Me』(09)をリメイクした映画初主演作『Hear me(原題:청설)が韓国で公開された。同作では聴覚障がいを持つヒロインのヨルムに扮し、恋の相手を演じたホン・ギョン、妹役の元IZ*ONEのキム・ミンジュと共に手話を3カ月間特訓したという。劇中の3人の相性も抜群で、韓国青春ロマンス映画の新たな名作とも謳われている。日本で公開されれば、きっとノ・ユンソの人気も急上昇するはず!
(エディター・細矢草平)

さらにグローバルな活躍に期待!“国民の年下彼氏”チョン・ヘイン

『ベテラン2』で青龍映画祭助演男優賞を受賞したチョン・ヘイン
『ベテラン2』で青龍映画祭助演男優賞を受賞したチョン・ヘイン[c]2024 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.


2024年はラブコメに初挑戦した「となりのMr.パーフェクト」でチョン・ソミンとの抜群の“ケミ”を披露したチョン・ヘイン。同作のPOP UPストアが展開されるほど日本での人気が高まっている彼は昨年、映画でも大躍進を遂げた。人気作の9年ぶりの続編『ベテラン2』でストーリーの鍵を握るパク・ソヌ役で強烈なアクションを披露し、2024年末の第45回青龍映画祭では人気スター賞と助演男優賞を受賞。プレゼンテーターから名前を呼ばれた後の愛くるしいリアクションはSNSやニュースで話題になり、まさに“映画祭の顔”とも言うべき存在だった。残念ながら坂口健太郎と主演予定だった日本のドラマはキャンセルされたとの噂だが、その人気は韓国にとどまることなく2025年はさらにワールドワイドな活躍を見せることだろう。
(エディター・細矢草平)


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