現代社会にも通じる痛快世直しエンタメ!『室町無頼』を観た映画のプロたちの最速レビューをネタバレなしでお届け

現代社会にも通じる痛快世直しエンタメ!『室町無頼』を観た映画のプロたちの最速レビューをネタバレなしでお届け

無敵の強さを誇る大泉洋と悪漢・堤真一とのライバル関係が身悶えするほどいい!

これは時代劇好きじゃなくてもわかる想像以上の大作だ。現代からみたら何もないような時代にあらゆるエンターテイメントが詰まっている。残虐非道な野武士に成り上がり。飢饉にあえぐ庶民と富を貪る幕府。刀、槍、弓と多彩なアクションに少年の修行と成長。無敵の強さを誇る大泉洋と悪漢堤洋一とのライバル関係も身悶えするほどいい!さらに貨幣経済が広まったと言われる室町時代の経済状況が、現代人の我々との接点、ある種の拠り所となって共感し、そして起きる一揆!この企画、この原作と入江悠監督が合わさってこれほどの大作娯楽映画ができるとは…。少し少年マンガのように楽しさが行きすぎてるかもしれないが、現代の感覚で余す所なく楽しめる秀逸な映画になっている。
(インフルエンサー・おまけの夜)

【写真を見る】己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぐ自由人を演じた大泉洋から目が離せない!
【写真を見る】己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぐ自由人を演じた大泉洋から目が離せない![c] 2016 垣根涼介/新潮社 [c]2025「室町無頼」製作委員会

武者震いするほどカッコイイ男と女のヒーロー映画だった

大泉洋だけが主人公ではない。この映画は時代劇であり、アクション映画であり、武者震いするほどカッコイイ男と女のヒーロー映画だった。過去の物語ではなく、いま、正義を胸に立ち上がる私たちへの応援歌なのだ。
(映画パーソナリティ、映画評論家・伊藤さとり)

兵衛の悪友にして宿敵となる骨皮道賢を演じる堤真一
兵衛の悪友にして宿敵となる骨皮道賢を演じる堤真一[c] 2016 垣根涼介/新潮社 [c]2025「室町無頼」製作委員会

マカロニウェスタン風の“無頼漢”は、不正や不道徳がまかり通る現代を生きるわれわれにとって、真のヒーローになり得る

時代のなかで踏み潰され、忘れ去られる者たちの側に立つ時代劇を待っていた。日本では民衆による革命は起こらなかったというが、歴史上おびただしい数の“一揆”が起こっている。立ち上がったのは、重い負担を余儀なくされた農民であり、反旗を翻した武士たちだ。本作のマカロニウェスタン風の“無頼漢”は、大きな力に与しない場所にいるからこそ、不正や不道徳がまかり通る現代を生きるわれわれにとって、真のヒーローになり得る。そして“六尺棒”を持った少年の怒りに満ちた奮闘は、侍社会の欺瞞を見抜く主人のために、死にものぐるいで腕を振るう男の活劇を描いた、70年前の東映時代劇『血槍富士』(55)の“魂”を甦らせた。
(映画評論家・小野寺系)


密かに幕府に不満を持つ者たちを集め、一揆に向けて時を見計らっていた兵衛
密かに幕府に不満を持つ者たちを集め、一揆に向けて時を見計らっていた兵衛[c] 2016 垣根涼介/新潮社 [c]2025「室町無頼」製作委員会

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