六年生vs天鬼の本気アクションから、ドクタケ忍者隊のライブまでリアルに体感!『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』4DX版を体験してみた
は組の生徒たちのドタバタ感を一緒に体験!コメディとシリアスの対比も4DXならでは
4DX演出が効いたアクションシーンで次に注目したいのは、一年は組によるドクタケの出城での奮闘シーン。出城にうまく忍び込んだものの、ドクタケ忍者に見つかって追いかけられ、俵に入ったまま斜面を転がり落ちる逃走劇は、忍者アクションとは違った激しい揺れが続くドタバタシーンとなっている。一年は組の巻き込まれ感と見事にリンクして、過剰なほどに揺られまくるシチュエーションは、そのハードさに思わず笑ってしまうほど。そして、シリアスとギャグというテイストの異なるアクションシーンの演出の違いを味わえるのも「忍たま」らしさと言えるだろう。
そして、クライマックスとなる砦での戦いと、乱きりしんによる土井先生捜索シークエンスでは、ドタバタアクションと忍者アクションが交互に繰り広げられ、4DX演出もまさに最高潮。砦内を撹乱しながら、捕まっている一年生を助けるべく行動する六年生と五年生の活躍、タソガレドキの命運を担って天鬼を仕留めようとする雑渡と、それを止めようする利吉&桜木清右衛門&若王寺勘兵衛によるバトル、そして食べ物の匂いに惹かれて爆走するしんベヱ。このいい意味でカオスな盛り上がりも、ぜひ4DXで味わってほしい。
そんな白熱のシーンがあるからこそ、土井先生ときり丸との関係を中心とした、静かな心の交流シーンがまた印象に残るのも、ある意味「忍たま」らしいと言える。そして、絶妙なタイミングでかかるテーマ曲「勇気100%」は、思わずリズムを取りたくなる気持ちを察してくれるかのように、振動するシートの動きが加わっているので、通常上映とは違った心地良い終映を迎えることができるのもポイント。これからもう一度本作を楽しみたいと思っているならば、ぜひ4DXをオススメしたい。もちろん、初見の人にもやさしいストーリーなので、ぜひ深い没入感で「忍たま」の世界を味わってみてほしい。
文/石井誠