妙な色気で観る者の心を掴むソン・ソック!大ブレイクした「私の解放日誌」から最新作『コメント部隊』までのキャリアを振り返る

コラム

妙な色気で観る者の心を掴むソン・ソック!大ブレイクした「私の解放日誌」から最新作『コメント部隊』までのキャリアを振り返る

「インパクトが強いキャラを演じるのは、数年に1度で充分」

ソン・ソックが語るイム・サンジンは、適当な見栄と野望、使命感のある人物
ソン・ソックが語るイム・サンジンは、適当な見栄と野望、使命感のある人物[c]2024 ACEMAKER MOVIEWORKS & KC VENTURES & CINEMATIC MOMENT All Rights Reserved.

ソン・ソックが『コメント部隊』のオファーを受けたのは、「私の解放日誌」と『犯罪都市 THE ROUNDUP』でブレイクする前だったそう。話題性や人気にあやかってのキャスティングではなく、彼自身の俳優としての力量や魅力を感じてのオファーだったわけで、ソン・ソックはブレイク前に自分を認めてくれていたアン・グクジン監督に感謝していた。

新聞社の社会部記者イム・サンジンは、国内屈指の大企業・マンジョンが公共機関入札事業で不正を働いたとの情報提供を受け、スクープ記事を出した。だが、別の大きなニュースで記事は埋もれ、情報提供者の中小企業の社長は自殺、記事も誤報とされ、SNSはサンジンに対しての誹謗中傷と個人情報で溢れ返った。会社は彼を守ってくれず、半年間の停職処分に…。だが1年以上経っても解かれる事は無く、事実上のクビ状態だった。

名誉回復の為に、記事が誤報ではなかったことを証明しようと調査を進めていたサンジンに、ある日1人の青年が接触してきた。彼は、ネット世論を操作するコメント部隊“チームアレブ”のメンバーだと名乗り、サンジンのスクープを“誤報”としたのも自分たちで、これまでに請け負った仕事の数々を告白するのだった。はじめは半信半疑で聞いていたサンジンだったが、青年が語るやり口の詳細な過程や結果に新たなスクープを確信して、「今度こそは!」と動き始める…。

“チームアレブ”とイム・サンジンの出会い
“チームアレブ”とイム・サンジンの出会い[c]2024 ACEMAKER MOVIEWORKS & KC VENTURES & CINEMATIC MOMENT All Rights Reserved.


ソン・ソックは、『コメント部隊』で演じたイム・サンジンについて「ごく平凡で、適当な見栄と野望、使命感のある人物」と語り、ただの正義の人ではないが好感度が低いキャラにならないように演じたそうだ。彼自身が善悪がハッキリしているのはおもしろくないと思っており、もし善悪が明確なキャラでも「ソン・ソックが演じれば曖昧になる」と言われたい気持ちがあることも明かしている。

また、サンジンは主人公ではあるが、物語の中心に居るのは“チームアレブ”だ。その為、ソン・ソックはサンジンを「アペタイザーのように観客の食欲をそそる役割」とし、「もうすぐおいしい食べ物(チームアレブ)が出てくる、という期待を植え付けた後、食堂から出る時に『さようなら』と挨拶する程度」と、作品内での自身のポジションを説明している。

クセが強く、絶大な存在感を放つ役柄が多いイメージだが、自身は「大衆に大きく刻印されるキャラクターを演じるのは、数年に1度程度で充分」と言う。強いキャラばかりでは、ややもすれば観客を疲れさせる恐れがある、というのがその理由だ。


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