安藤サクラの魅力は「母性」。姉・桃子監督と瞳潤ませ“母の心境”を語る!

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安藤サクラの魅力は「母性」。姉・桃子監督と瞳潤ませ“母の心境”を語る!

10月29日、第30回東京国際映画祭のJapan Now 部門女優特集「Japan Now 銀幕のミューズたち」で安藤サクラの特集上映がTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、安藤がトークセッションに登壇。今年、第一子を出産した安藤が、母になっての変化を語った。

スクリーンで輝く現代のミューズを特集する本企画。安藤の特集では、『0.5ミリ』と『かぞくのくに』が上映された。『0.5ミリ』は、老人の家に押しかけるヘルパー・サワと、彼女と触れ合ううちに閉ざした心を開いていく老人たちを描いた人間ドラマ。サクラの姉、安藤桃子がメガホンをとった。

サクラは、姉・桃子監督と大きな笑顔で登壇。桃子監督は、本作の着想のきっかけについて「祖母の介護体験。介護のことを描くより、“人を看取る”ということを考えた」と2人のプライベートと紐づいていると話す。

さらに桃子監督は「サクラを生まれてきたときから見ていることを活かすのが、この作品の意味。他の作品にはない表情や顔」と本作でのサクラについてコメント。サクラの魅力を「母性」と分析し、「サワちゃんが成立しているのは、この母性。相手を包む存在」と本作のヒロインはサクラでなければ成立しなかったと語る。

サクラは「『もっと怖くて、岩みたいなデカい女だと思っていた』と言われることが多い(笑)」と個性的な役柄を演じることが多いからか、実際に会った人にはイメージとのギャップに驚かれるとか。「『0.5ミリ』で自分のそれまでに出していないところ、岩ではないところ。女性だよっていう部分(が出ている)。イメージチェンジを図った」と素の部分が出ていることを照れ臭そうに話していた。

サクラは実力派女優として、日本映画界にとって欠かせない存在となった。「前の自分からしたら、自分が子どもを産んでいるとかも想像できなかった」というサクラ。「やらなくても生きていけるのに、子どもがいるのに(女優を)やるという選択をするときに、答えが見つからなかった。それを選択する理由がわからなかった」とも打ち明けるが、桃子監督は「今、世紀末だと思っている。未来を担っていく子たちが、生き抜いていける先導者となっていける人にしてあげないといけない。そのためにもお母ちゃんの背中見ていろよ!と」と母としての思いをぶちまける。

続けて「映画ってすごいと思いませんか?みなさんの魂に何かをバーン!と突っ込んでくる。そういうことが、これからの戦い。実際にドンバチやって命をかけている人たちもいるかもしれないけれど、我々ができるのはこの道を開いていくこと」と映画の力を語ると、サクラも「私も戦います!」と瞳を潤ませながら、気持ちを新たにしていた。【取材・文/成田おり枝】

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