カッコ良すぎる!“レジェンド”シド・ミードが作り上げた『ブレードランナー 2049』の世界
週末興行収入ランキングで初登場第1位を獲得するヒットスタートを飾り、現在絶賛公開中の『ブレードランナー2049』。SF映画史上に残る金字塔として、今なお熱狂的な支持を集めている『ブレードランナー』(82)の続編として、制作段階から高い注目を集めていた本作には、ビジュアル・アーティスト界のレジェンド、シド・ミードが前作に引き続き参加している。このたび彼が手がけた本作のコンセプト・アートが公開された。
前作『ブレードランナー』が、公開から30年以上経った今でもカルト的な人気を集める理由のひとつは、作品中に映し出される、ダークで独特な世界観に他ならない。
フィリップ・K・ディックの原作の物語性を踏襲しつつ、酸性雨が降る荒廃した地球で、人間とレプリカントが入り混じる、これまで誰も見たことのない世界を作り出した。まさに、巨匠リドリー・スコットの想像力と、それをビジュアルで表現したシド・ミードの讃えるべき功績といえよう。
前作の後も『2010年』(84)や『エイリアン2』(85)で最先端のビジュアルをスクリーン上に送り出し、ハリウッド超大作の未来デザインを語る上でなくてはならない存在へと昇華したシド・ミード。彼は日本の「機動戦士ガンダム」シリーズの「∀ガンダム」や「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの「YAMATO2520」でもデザインを手がけているのである。
そんな彼が本作で担当したのは、主人公のブレードランナー・Kが伝説のブレードランナー・デッカードを追って訪れるラスベガスの街並み。新旧ブレードランナーが初めて対峙するその重要なシーンは、前衛的な建築物が並び、荒廃しながらも美しいデザインに仕上がっている。
Kを演じたライアン・ゴズリングは「本作の世界は細部にわたってすでに出来上がっていて、本当に素晴らしかった。おかげで自分が演じる役の内面に集中することができたよ」と、世界観構築の根本となるコンセプト・アートを大絶賛。
さらに、前作に続いてデッカードを演じたハリソン・フォードは「私は現実らしさを体感できる環境で仕事をしたいと思っている。この映画に関しては、そこがうまくいっていたんだ」と、シド・ミードが造った2049年の風景にリアリティを感じたことを明かした。
主演の2人も絶賛し、自信を持って役にのめり込むことができるほど圧倒的な舞台設計。ビジュアル・アート界の、もとい映画界のレジェンド、シド・ミードが生み出した新たな「ブレードランナー」の世界を、是非とも劇場で体験していただきたい。【文・久保田和馬】