『アナ雪』短編から細田守作品まで、2018年公開の注目アニメ映画は?
2017年は『怪盗グルーのミニオン大脱走』が興収73億円を超えるヒットで今年公開作では2位の記録を達成したほか、『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』がシリーズ最高興収となる68億7000万円を記録。この他にも、『劇場版 KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』『ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~』『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』(公開中)といった人気シリーズの劇場版が約50館前後と小規模での公開ながら、動員ランキングをにぎわすなど、アニメ映画の強さを見せつけた年だった。それでは、2018年はどんな作品が控えているのか?気になる話題作をピックアップして紹介する。
アニメファン以外にも注目はやはりこの作品!
アニメファン以外からも大きな注目を集めるのが、『アナと雪の女王』のキャラクターたちが活躍する『アナと雪の女王/家族の思い出』(3月16日公開)だろう。『リメンバー・ミー』と同時公開される本作は、アナとエルサが初めて迎えるクリスマスを描くもので新曲も披露される。ディズニー/ピクサー作品の同時上映の短編としては史上最長の22分というファンにはたまらないそのボリューム感も話題となっている。
本編であるディズニー/ピクサー作品『リメンバー・ミー』も、アメリカの大手映画批評サイト、ロッテン・トマトで97%の高評価を受けるなど、すでに話題となっている。日本におけるお盆のようなメキシコの風習“死者の日”をモチーフに、死者の国に迷い込んだ少年の冒険がカラフルな映像と共に描かれる。主人公の少年が奏でるギターなど、全編に流れる音楽にも注目の一作だ。ディズニー/ピクサーからはもう1本、2004年に公開され大ヒットを記録した『Mr.インクレディブル』の続編『インクレディブル・ファミリー』(8月1日公開)が登場。スーパーヒーロー一家の次男坊、ジャック=ジャックがどんな活躍を見せてくれるのかが楽しみだ。
40、50代などおじさんは熱狂のヒーローが復活!
日本のアニメ作品では“往年の名作が復活!”がキーワード。永井豪原作のロボットアニメで『パシフィック・リム』(13)のギレルモ・デル・トロ監督にも多大な影響を与えたのが「マジンガーZ」。『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』(1月13日公開)は、TVアニメから10年後の世界を舞台に、主人公・兜甲児が再びマジンガーZに乗り込み、謎の敵に立ち向かっていく。『劇場版 Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』(2月24日公開)は、ガッチャマン、テッカマン、ポリマー、キャシャーンというタツノコプロの人気キャラクターが共演する日本版『アベンジャーズ』とも言えるTVアニメの劇場版で、ガッチャマンの人気キャラ、コンドルのジョーの登場に胸を熱くさせているファンも多いはずだ。
人気コミックの初劇場版は…!
人気コミックを基にしたTVアニメ初の劇場版として注目されているのが、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』(夏公開)と『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)』(3月3日公開)。前者は週刊少年ジャンプ連載の人気作で、総人口の約8割が何かしらの特殊能力を生まれもつ世界で、ヒーローとして戦う少年の戦いを描く物語。後者は太宰治や芥川龍之介といった文豪の名をもつキャラクターが特殊な力を駆使して戦う姿を描く異色アクションだ。
人気クリエイターによるオリジナル作も!
2017年は原作ものが多かったが、2018年は劇場版オリジナル作として話題を集めているものも少なくない。『さよならの朝に約束の花をかざろう』(2月24日公開)は『心が叫びたがってるんだ。』(15)の脚本を務めた岡田麿里の初監督作。10代半ばの姿で生き続ける少女と、彼女が出会った赤ん坊の成長を描くファンタジーだ。『バケモノの子』(15)の細田守監督の新作『未来のミライ』(7月20日公開)は未来からやってきた少女とその兄である4歳の男の子が繰り広げる騒動を描くもの。
第30回東京国際映画祭で特集上映が行われた原恵一監督の新作も2018年内には完成予定とのことだし、宮崎駿も監督復帰を宣言し、新作に取り掛かっている(こちらは3、4年かかるそうだが)。さらに人気TVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の劇場版製作も発表されるなど、“あの人気作が映画化!”というニュースがこの後も続きそうな予感だ。まずは現在公開が決まっている作品名をスケジュールに書き込んで、それぞれのアニメライフを楽しんでほしい。
文/トライワークス