アップリンク代表が語るクラウドファンディングサイト開設の意図と映画のこれから【後編】
4月5日からスタートしたクラウドファンディングサイト「PLAN GO」。運営に携わるアップリンクの代表取締役・浅井隆氏に取材し、明らかになったのが12月にオープン予定のアップリンク吉祥寺の存在。後編ではアップリンク渋谷に次ぐ2つ目の映画館となる同館がどのような立ち位置となるのか、また、クラウドファンディングと映画の関係性に迫る。
――「PLAN GO」でのクラウドファンディングを考えてらっしゃるというアップリンク吉祥寺についておうかがいしたいのですが、吉祥寺に映画館を作りたいとお考えになったのはいつ頃なのでしょうか?
浅井:実は吉祥寺バウスシアター(2014年6月に閉館)があった頃にバウスシアターのスタッフに「映画館を作れないかな?」って相談したり、バウスシアターの近くを下見していたんですよ。中央・総武線、井の頭線のターミナルになっているから、映画館ビジネスとしてすごくありな場所だと思います。
――吉祥寺の他に候補地として考えてらっしゃった場所もあるのですか?
浅井:横浜ですね。シネコン以外だと横浜ニューテアトル、横浜シネマリン、シネマ・ジャック&ベティなどがありますが、映画館というマーケットで考えれば、まだ需要はあるのかなと思います。横浜市は映像文化や芸術に力を入れている市だと思うので、条件が合えば考えたいですね。
――アップリンク吉祥寺の上映作品のラインナップについて教えてください。
浅井:今のアップリンク渋谷は自社配給作品よりも、他社の2番館としての需要が高いんです。あと、『私はあなたのニグロではない』(5月12日公開。メインの劇場はヒューマントラストシネマ有楽町)のように都内でロードショーする作品のメイン館をサポートする役割も担っています。だから、吉祥寺も渋谷と同じ編成でやっていく予定です。
――いま、アップリンク渋谷がメイン劇場で他の映画館でサポートしてもらっている作品を渋谷と吉祥寺だけで上映するという可能性もありますか?
浅井:公開規模の小さい作品はそうなるかもしれませんね。『ラッカは静かに虐殺されている』(上映中)と『ラジオ・コバニ』(5月12日公開)はアップリンク渋谷とポレポレ東中野で上映しますが、ポレポレ東中野は邦画のドキュメンタリーを多く上映している映画館なので、映画館の特性に合わせて考えていくことになるかもしれません。