染谷将太、半裸で快感に目覚める!?『パンク侍、斬られて候』特別映像公開
綾野剛が主演を務め、脚本の宮藤官九郎と石井岳龍監督が強力なタッグを組む、エンタテインメント時代劇大作『パンク侍、斬られて候』が6月30日(土)より公開となる。町田康の原作小説を豪華俳優陣で実写化した本作から、このたび、武士・幕暮孫兵衛を演じた染谷将太によるキレッキレな腹ふり踊り(!?)の映像が公開となった。
映像の冒頭は、何かにとりつかれたかのように踊り狂う謎の集団とその様子を少し離れた場所で見守る幕暮(染谷将太)たちの姿。はじめは「醜悪で観るに堪えない!」と怒るように集団を拒絶する幕暮であったが、言葉とは裏腹に次第に腹を振り出し「ヤバい!ヤバい!!」と言いながら、その一団に飛び込んでいくが描かれている。
衝撃的なその姿は、出世作『ヒミズ』(12)で第68回ヴェネチア国際映画祭にて新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞し、今年2月に公開され、興行収入16.5億円のヒットを記録した日中合作の歴史大作『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』(18)では、歴史に名を残す超天才・空海を演じた男と同一人物とは思えないほど。
クセ者12人が揃ったキャラクターポスターの公開時から、超豪華キャスト陣の中で幕暮は唯一、目をむきほぼ半裸というあられもない姿で登場しており、演じた染谷も先日行われた完成披露舞台挨拶イベントで「気が付いたら、撮影の半分以上をふんどし一丁で過ごしていて、日々悶々とパンクって何なのか?と考えていました」と語り会場を大いに沸かせたが、公開された映像には、その答えのカギを握る、超重要な光景が映し出されている。
染谷が演じた幕暮は、黒和藩の武士でありながら窮地に追いやられると突然思考を停止し「ギャン!」と白目を剥きながら気を失うことにより、その場をやり過ごすという侍にあるまじき男だ。そのうえ忍耐力に欠け、場の空気も読めず、思ったことがすぐ口に出てしまうという。
そして冒頭に映る集団“腹ふり党”こそ、幕暮をふんどし一丁にしてしまった元凶。彼らにとっての教義とされる “腹ふり踊り”は、両手を開いて「あっあ~ん」とうめき、激しく腹を振りながら街や村を飲み込んでいく、まさに狂気の踊り。しかし、いったん振り始めてしまうとそこから抜け出すのはとても難しいという。
そんな“腹ふり党”に、確固たる自分を持たない幕暮は己の支柱を求めてしまうのだ。染谷は幕暮というキャラクターに関して「地に足がついてない若者が、ふらふらしているうちに何か自分自身の希望のようなものを見つけ出していくような、そういうものを感じてくれると嬉しいです」と語っている。
我を忘れて半裸で腹を振り続ける幕暮は滑稽ではあるが、自分を見出せず未知のものに真理を求めてしまうその姿は、いつの時代の若者ともそうは変わらないだろう。本作は全くのフィクションではあるが、実は非常に現実的なテーマが隠されているのかもしれない。
豪華キャストが目白押しなことから注目度の高い『パンク侍、斬られて候』だが、物語に込められたメッセージを想像しながら楽しむこともできそうだ。
文/編集部