アニメ専門劇場にギャラリーも併設!角川シネマ新宿が大幅リニューアル
今月8日から改装のため休館していた新宿三丁目にある映画館・角川シネマ新宿が、7月28日(土)にリニューアルプレオープン。これまで邦画・洋画や実写・アニメ、新作・旧作を問わず幅広い作品を上映してきた同劇場は、リニューアル後はアニメ作品のみを上映する、国内では珍しい“アニメ専門劇場”として生まれ変わることに。
今回のリニューアルの最大の目玉のひとつは、シアター2のあった5階フロアーを全面的に改装し「アニメギャラリー」としてリニューアルしたこと。かつてこの場所にあった新宿文化シネマの劇場設備を活かし06年に新宿ガーデンシネマとしてオープンし、その後08年に現在の角川シネマ新宿に改称した同劇場。300席を擁するシアター1と56席の小さなシアター2の2スクリーンで営業してきたが、角川シネマ新宿として丸10年を迎える今夏、大胆なリニューアルとなった。
この「アニメギャラリー」内には、もともとシアター2で使われていたスクリーンと映写設備がそのまま残されており、今後上映会やトークショーなど小型のイベントにも対応できるスペースとなるほか、年明けを目処に本格的なカフェとしてさらにパワーアップする見通しだ。すでに設置されているカウンターの各座席には、USB充電も可能なコンセントが備え付けられており、映画鑑賞後のひと時をリラックスして過ごすには抜群の環境となっている。
リニューアル企画第1弾として7月28日(土)から8月24日(金)まで、現在『未来のミライ』が大ヒット公開中の細田守監督の過去作品5作品を上映する「細田守フィルムフェスティバル」が開催。また、あわせて「アニメギャラリー」では「細田守監督作品フィルムワークスギャラリー」が開催される。
こちらでは作品公開当時の「Newtype」特集記事を始め、複製原画や細田守監督やコミカライズ作家のサイン色紙など、『時をかける少女』(06)から『バケモノの子』(15)までの細田監督の軌跡をたどる展示が、入場料無料で楽しむことができる。この機会に、日本が誇るアニメーション作家・細田守の世界にどっぷりと浸かってみてはいかがだろうか。
また、その後は『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』(8月25日公開)や『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』(10月6日公開)など、アニメ専門劇場としての強みを発揮した作品が次々と上映されていく予定となっている。なお、これまで同劇場の名物であった、市川雷蔵特集などの旧作日本映画の特集上映や実写映画の上映は、有楽町の駅前にある角川シネマ有楽町へと引き継がれる見込みとのこと。
多くの映画館がしのぎを削る、日本屈指の大都市・新宿の街からアニメ文化を発信するトップランナーとして、今後多くのアニメファンから愛される劇場となっていくことは間違いないだろう。今後の上映や展示企画のラインナップに期待が膨らむばかりだ!
取材・文/久保田 和馬