若き名バイプレーヤー・富田望生「宇宙を駆けるよだか」でカメレオン女優の才能が開花!
先日惜しまれながら急逝した大杉漣をはじめ、演技派の脇役俳優が脚光を浴びる昨今。18歳という若さの名バイプレイヤー女優が登場した。本日からNetflixで配信されているドラマ「宇宙(そら)を駆けるよだか」に出演する富田望生だ。
富田望生の女優デビューは、14歳のとき。オーディションを勝ち抜いて主要キャストを演じた映画『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(15)だ。デビュー作ながら、役づくりのために15キロ太って挑んだという演技が高く評価された。以降、映画『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』『あさひなぐ』(ともに17)や、最新出演作『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(8月31日公開)といった、青春ドラマを描いた作品で重宝されてきた。
これまでの出演作では女子生徒グループの1人…というポジションが多かった富田だが、今回の「宇宙を駆けるよだか」では、物語のキーマンとなる重要な役どころを演じている。川端志季の人気少女コミックを実写ドラマ化した本作は、男女4人の高校生が繰り広げるサスペンス&ラブストーリー。想いを寄せていた幼なじみと恋人同士になった、クラスの美少女・小日向あゆみ(清原果耶)が、ある日起きた事件を境に、醜い容姿にコンプレックスを抱くクラスメイトの海根然子(富田)と体が入れ替わってしまう物語だ。
見た目も性格も完璧なヒロイン・あゆみを清原果耶が演じる一方、地味で根暗な然子を演じるのが富田。2人が入れ替わる前と後を演じ分ける力は卓越しており、“入れ替わり前”は猫背で、声も低く、表情もない。友達のいない孤独な然子を体現しているのだが、“入れ替わり後”は一変。前向きで明るいあゆみを、喜怒哀楽豊かに演じている。同じ富田が演じていても“別人”というのが一目瞭然なのだ。
それは、清原も同様。あゆみと然子を演じている時では、明らかに彼女が纏う雰囲気が変化する。そしてさらに観る者を唸らせるのが、富田と清原のシンクロ度だ。言うなれば、富田と清原は1人2役であり、2人1役。あゆみも、然子も、外見は違えども紛れもなく“同一人物”だと納得できる説得力が、彼女たちの演技にはある。
先日のプレミア試写イベントでは、相手が清原でなければまったく別のあゆみと然子になっていただろうと振り返っていた富田。実力派バイプレーヤー、富田望生の“豹変マジック”に惑わされながら、ミステリアスな本作を楽しんでほしい。
文/トライワークス