R15とR18はどう違う?ピンク映画の製作費は1本いくら?未知の世界をのぞき見!
劇場前に貼られた扇情的なポスターをはじめ、成人映画館の独特なムードに足を運ぶのがためらわれる…と、映画好きの中でも、意外と観たことがない人が多いのが“ピンク映画”。黒沢清、滝田洋二郎、瀬々敬久などなど、現在の日本映画界を牽引する名監督たちがそのキャリアをスタートさせたのがピンク映画であり、一度観てみたいと興味を持っているであろう映画ファンにぜひオススメしたいのが、現在テアトル新宿で開催中のピンク映画の特集企画「OP PICTURES+フェス2018」だ。
今年で4回目となるこの企画は、そんなピンク映画の秀作18本を3週間にわたって上映するというものだが“そもそもピンク映画ってAVとなにが違うの?”と疑問に思っている人もいるだろう。ドラマ性を重視したメーカーもあるものの、やはりラブシーンがメインとなっているAVに対し、ピンク映画は一般映画におけるラブシーンの表現を過激にしたものと言うとわかりやすいだろうか。ラブストーリーやコメディ、ホラーなどジャンルも様々で、監督の作家性が色濃く出た作品も少なくない。
たった3日間で撮影、製作費は超格安!
というのも、日本で最初のピンク映画と言われている『肉体の市場』(62)公開から50年以上経ったいまでも、“製作費は1本あたり300万円で製作期間は3日間”というルールが変わっていないのが不思議なところ。その反面、劇中に女優たちによる過激なラブシーンが複数回盛り込まれていれば、どんなストーリーでも構わないという自由度の高さが監督や脚本家の創造力を駆り立てるのだ。ジャンルは異なるが、現在大ヒット中の『カメラを止めるな!』も奇しくも同じ300万円の超低予算で撮られたことが話題となっているが、これもアイデア次第で上質の作品が作れるということを実証していると言ってもいいはずだ。
今回上映されるのは、前述の『肉体の市場』を配給し、以来56年にわたってピンク映画界を支えてきた老舗の映画会社、大蔵映画の作品。70~80年代にかけて“日活ロマンポルノ”のブランドで成人映画を製作していた日活よりも長きにわたってピンク映画の看板を守り、いまも年間36作品ものピンク映画を作り続けている。
開催:8月25日(土)~9月14日(金) テアトル新宿
10月13日(土)~26日(金) シネ・リーブル梅田
OP PICTURES+フェス2018 公式サイト