夏帆が達成感を感じた犬との共演「いつも壁にぶち当たってます」
『天然コケッコー』(07)、『うた魂♪』(08)などの主演作をはじめ、映画やドラマに引っ張りだこの夏帆は、不器用だがひたむきに頑張るヒロイン役が実によくハマる。主演最新作『きな子〜見習い警察犬の物語〜』(8月14日公開)では、実在のズッコケ見習い警察犬・きな子をトレーニングするひたむきな警察犬訓練士役にトライ。そこで夏帆と、劇中で共演したラブラドール・リトリーバーのきな子を直撃!
夏帆扮する望月杏子は、見習い警察犬訓練士として、生まれた時から弱々しかったきな子を、一人前の警察犬にしようと大奮闘。この見習いコンビの夢を諦めない頑張りぶりを見ていると、誰もがエールを送りたくなる。本作で初めて犬と共演した夏帆は、撮影時をふり返ってこう語った。
「撮影中は、きな子のかわいさに癒されつつ、現場がすべてきな子中心で回っていたので大変でした。犬は好きだったんですが、飼ったことがなくて、最初はどういうふうに触ったらいいかもわからなくて。ただでさえ自分の演技だけでいっぱいいっぱいなのに、犬に気をとられてしまったこともありました。でも、1ヶ月間あれだけ毎日会っていたので、その分きな子に近づけた気がしますし、会わなくなってからはさみしかったです」。
後半、杏子ときな子が、嵐の中で奮闘するシーンも実に印象的だ。「1週間くらい雨降らしのシーンがあって、そこは体力勝負でした。常に走っていたので、ずっと筋肉痛がとれなくて。きな子もずっと走っている感じでした。そしたら心なしか、そのシーンが終わった時、きな子もほっそりとなっていた気がします(笑)。『ああ、きな子も大変だったんだな』と思って、絆がより深まった感じがしました」。
苦労した甲斐があり、スクリーンには見事に夏帆ときな子との信頼関係が映し出されている。本作を経て、得たものは大きかったのではないだろうか。「終わった後はすごく達成感がありました。中盤、『これは撮り切れるんだろうか』と思ったぐらい体力的にも精神的にも大変だったので…」。
今回の達成感は、杏子と同じように大きな壁を越えたからこそ得たものなのだろうか。「この作品に限らず、毎回新しい作品をやるごとに壁にぶつかっています。私は杏子と違って、小さい時からこの仕事に憧れていたわけではなかったんですが、ありがたいことにそういう環境があって仕事をしていくうちに、『この仕事って素敵だな』ということに気づいていったんですよね。ですから、壁は常にある気がします」。
では、今後どんな役を演じていきたいのだろう。「今までの自分のイメージにはない役をやりたいと思ってます。それってすごく難しいかもしれないですが」。
最後に、一番の見どころとして「杏子ときな子の成長を見てほしいです」とアピールしてくれた夏帆。共演したきな子と一緒に行ったフォトセッションで、愛くるしい笑顔を見せた彼女を見て、彼女自身も演じたヒロインと共に一歩一歩成長を遂げていると、頼もしい手応えを感じた。【Movie Walker/山崎伸子】