『オカンの嫁入り』で大竹しのぶと桐谷健太に見る理想の年の差カップル像

映画ニュース

『オカンの嫁入り』で大竹しのぶと桐谷健太に見る理想の年の差カップル像

ある日、酔った母親が年下の青年を連れて帰り「この人と結婚することにしたから」と言い出したら。そんな突然の宣言から始まる騒動と、母娘の絆を温かく描いているのが、公開中の『オカンの嫁入り』だ。映画では、母の結婚宣言を受けて戸惑う、宮崎あおい演じる娘・月子の姿が中心に描かれているのだが、大竹しのぶと桐谷健太が扮した、母・陽子と金髪リーゼント青年・研二、年の差カップルのアツアツぶりにも注目してほしい。

元板前という研二の調理した朝食を喜んで食べる陽子。そんな姿を、愛おしい眼差しで見つめる研二。突如、朝の食卓に発生したラブラブ空間には、陽子のひとり娘・月子も、あ然としてしまうほどのもの。だが、ヤンキーな見かけによらず礼儀正しいまじめな研二と、ちょっぴり子供っぽい陽子の様子には、いつしか年の差も気にならなくなり、お似合いのカップルだと感じるようになってしまうはずだ。

女性が年上の年の差カップル映画といえば、永作博美と松山ケンイチが20歳差の恋人を演じた『人のセックスを笑うな』(08)や、27歳のエリート青年と43歳のハンバーガーショップ店員の愛を描いた『僕の美しい人だから』(90)、さらには19歳の少年と自由奔放な79歳(!)の老女が恋に落ちるカルトな傑作『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』(72)といった作品がある。どれも様々なカップルの形を描いているものの、比較的、映画ならではのファンタジーの要素が強く感じられる。だが、本作での大竹&桐谷は普通にいそうと思うことができるほどリアルで、自然なのだ。

本作で恋愛関係に初挑戦したという桐谷いわく、大竹とのカップルは「全然違和感がなかった」とか。自然体で理想的な年の差カップルを見ると、年の離れた恋人の方が良いのではと思えるかもしれない。【トライワークス】

作品情報へ

関連作品

  • オカンの嫁入り

    3.8
    1
    宮崎あおいと大竹しのぶが母娘役で共演する呉美保監督による家族ドラマ
    Prime Video U-NEXT Hulu