【今週の☆☆☆】眩しいほどの個性がぶつかる『十二人の死にたい子どもたち』や狂乱の美『サスペリア』など週末観るならこの3本!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
【今週の☆☆☆】眩しいほどの個性がぶつかる『十二人の死にたい子どもたち』や狂乱の美『サスペリア』など週末観るならこの3本!

コラム

【今週の☆☆☆】眩しいほどの個性がぶつかる『十二人の死にたい子どもたち』や狂乱の美『サスペリア』など週末観るならこの3本!

Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。アカデミー賞のノミネート作品も発表されるなど、映画への注目が集まる1月25日(金)から今週末へかけての作品をピックアップ!旬な若手俳優が勢ぞろいした邦画サスペンスから、衝撃的な映像や展開に震えるホラー、名女優のスゴみが光る人間ドラマまで、興味を惹かれる作品ばかり。

週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

若者たちの主張と個性がぶつかる『十二人の死にたい子どもたち』

【写真を見る】新田真剣佑や北村匠海ら若手俳優たちの演技バトルが展開(『十二人の死にたい子どもたち』)
【写真を見る】新田真剣佑や北村匠海ら若手俳優たちの演技バトルが展開(『十二人の死にたい子どもたち』)[c]2019「十二人の死にたい子どもたち」製作委員会

映画ファンなら、タイトルに「十二人の」と付くことから察するに違いない。ミステリーの体裁をとってはいるが、これは『十二人の怒れる男』(57)や『12人の優しい日本人』(91)のようなディスカッションドラマなのだ。1ダースもの少年少女たちが集団自殺のために廃病院に集まった。互いに見ず知らずの者同士である彼らは、無言の先客が一人いたことから計画の軌道修正を迫られる。そうして巻き起こる疑心暗鬼。やがて、錯綜する状況下、それぞれの「死にたい理由」が明るみになっていく。主張と個性がぶつかり合う様は時に眩しいほど。決してネガティブな作品ではなく、これもまたキラキラした青春映画に思える。(映画批評家・相田冬二)

アート性や政治色も芳醇な狂乱の美『サスペリア』

ダンサーたちが縛られた、鮮烈の衣装!『サスペリア』は1月25日(金)公開
ダンサーたちが縛られた、鮮烈の衣装!『サスペリア』は1月25日(金)公開[c]2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC All Rights Reserved

同名の傑作ホラーをリメイク。とはいえ、ただのリメイクではなく、恐怖の質がまったく異なる。舞台は東西に分断されていた頃のドイツ、ベルリン。名門舞踊団への入団を許された若い米国人女性が、そこで遭遇する奇怪な事件の真相は!?オリジナル版が残虐描写を主体にしていたのに対して、舞踊団の秘密をあぶり出すミステリーが基調。深みにハマるヒロインの圧迫された精神状態は、そのまま観客の気持ちにシンクロし、緊張を高める。やがて訪れるクライマックスのダンス・シーンでは狂気がスパーク。狂乱の美のなかに叩きつけられたドンデン返しは、オリジナルを知る身にも十分に衝撃的だ。アート性や政治色も芳醇な驚愕の152分である。(映画ライター・有馬学)

名優グレン・クローズの演技に震えるヒューマン・ドラマ『天才作家の妻 -40年目の真実-』

グレン・クローズの演技が高い評価を獲得(『天才作家の妻 -40年目の真実-』)
グレン・クローズの演技が高い評価を獲得(『天才作家の妻 -40年目の真実-』)[c]META FILM LONDON LIMITED 2017

先頃、ベテランの大女優グレン・クローズがゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)に輝き、アカデミー賞の初受賞も有力視される本作は、栄えある文学界の“賞”を題材にしたヒューマン・ドラマ。現代文学の巨匠である夫のもとにノーベル文学賞受賞の知らせが届くが、彼の創作活動を支えてきた妻(クローズ)は微妙な表情を浮かべる。はたして、この長年連れ添った男女の間に隠された秘密とは……?このうえなく華やかなノーベル賞授賞式というイベントを背景に、愛憎渦巻く夫婦の関係がじわじわと崩壊していく皮肉な物語。作家の妻として、そして一人の女性としての怒りや誇りを体現するクローズの名演技、その並外れたスゴみに震えてほしい。(映画ライター・高橋諭治)



週末に映画が観たいけど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/トライワークス

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