“キャプテン・マーベル”と“シャザム”の知られざる関係って?
スーパーヒーロー映画ブームの勢いは衰えず、今年に入ってからも『アクアマン』『キャプテン・マーベル』の2作が公開。この先も『アベンジャーズ/エンドゲーム』(4月26日公開)など、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)、DC・エクステンディッド・ユニバース(DCEU)ともに公開ラッシュは止まらない。そんななか、意外な“接点”をもつ2作品が、前述の『キャプテン・マーベル』と『シャザム!』(公開中)なのだ。
シャザムは、1940年にコミックスデビューした、DCコミックスのヒーロー。今回の映画でも描かれているのだが、地下鉄に乗っていた際に、奇妙な男により謎の洞窟へと導かれた孤児の少年ビリーが、魔術師によって強大な力を与えられ、成人のスーパーヒーローとして悪に立ち向かっていくという物語。見た目は大人、中身は子どもという異色のヒーローであり、映画はその特徴を活かしたユーモラスな作品となっている。
“シャザム”とは、少年ビリーが成人ヒーローに変身するときの呪文、そしてそのヒーロー名だ。ちなみに、Solomon(ソロモン)の知恵、Hercules(ヘラクレス)の剛力、Atlas(アトラス)のスタミナ、Zeus(ゼウス)の万能、Achilles(アキレス)の勇気、Mercury(マーキュリー)の神速、という神々たちの頭文字から取られており、その強さは神レベル。あのスーパーマンにすら匹敵するとされているのだ。
そんな彼とキャプテン・マーベルの間にどんな接点があるのかというと、実はこのシャザム、もともとは“キャプテン・マーベル”というヒーローだったということ。彼のコミックスデビューは、DCからでなく、フォーセットという出版社からだったが、売り上げの低下などさまざまな問題から、50年代半ばにシリーズが廃刊となってしまう。
70年代に入りDCがその権利を取得すると、その際には、マーベルコミックスが“マーベル”という名称をすでに商標登録していたため、作品のタイトルを「シャザム!」に変更(ヒーロー名はキャプテン・マーベルのまま)。またタイトルとヒーロー名が違うのも混乱を招くので、2011年に、ヒーロー名もシャザムと統一した…というなかなか複雑な経緯を持っているのだ。
約1か月という短いスパンの間に“キャプテン・マーベル”という名にまつわるヒーロー映画が立て続けに公開され、MCU、DCEUの両シリーズともにさらなる盛り上がりが期待される。ヒーローへの知識がなくとも、まったく問題なく楽しめる快作に仕上がっているので、ぜひ『シャザム!』にも足を運んでみてほしい!
文/トライワークス