久石譲の一言で“シナリオ書き直し”!?レベルファイブ日野代表が語る『二ノ国』制作秘話
「ジブリ作品の印象的なシーンをモチーフに」
『二ノ国』で監督を務めたのはスタジオジブリ出身の百瀬義行とあって、作品の世界観を表現する美術やキャラクターデザインにも注目が集まるが、日野自身もジブリ作品には大きな影響を受けてきたと言う。
「ジブリはやはり国民的なアニメスタジオで、ゲーム第1作の制作時は一緒に仕事ができるというだけで大きな興奮がありました。ジブリ作品の印象的なシーンをモチーフにして、こっそりストーリーの中に組み込んだこともあります(笑)。国民的スタジオとの仕事だからといってプレッシャーを感じることはなく、僕の作った物語をジブリの画で観られるのがとても幸せでしたし、プロデューサーの鈴木敏夫さんとのお仕事や宮﨑駿さんと偶然すれ違えることなど、一つ一つの経験が僕たちのクリエイティブ心を刺激してくれました」
本作はゲーム作品を題材にしているが、ゲームをプレイしていない人でも楽しめるような構成になっている。
「制作当初から、映画で初めて作品に触れる人も一本の映画として楽しめるように作りたいという思いがありました。映画だけの情報で楽しめるので、心配せずに劇場に来てほしいです。でも、音楽のちょっとしたフレーズや劇中の小道具には、ゲームをプレイした人ならわかるアイテムも散りばめられています。そういうちょっとした“お遊び”も楽しんでいただけたらうれしいですね」
人気ゲームクリエイターの手によって紡がれる物語と、ハイレベルなアニメーションで表現される美しくも不思議なファンタジーの世界。日野が「初の試み」と語る“青春×ファンタジー”を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
取材・文/藤堂真衣
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