ゴジラ生誕65周年をレジェンドたちが祝福!今後のシリーズの構想を語り合う|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ゴジラ生誕65周年をレジェンドたちが祝福!今後のシリーズの構想を語り合う

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ゴジラ生誕65周年をレジェンドたちが祝福!今後のシリーズの構想を語り合う

日本が世界に誇る「ゴジラ」シリーズの記念すべき1作目『ゴジラ』(54)が公開されてから65年を迎える本日11月3日、東京ミッドタウン日比谷の日比谷ステップ広場を中心に「ゴジラ生誕65周年 ゴジラ・フェス2019」が開催。そのなかで行われたトークイベント「居酒屋ゴジラ」に、数多くの「ゴジラ」作品をプロデュースした富山省吾プロデューサーと、これまでシリーズ作品でメガホンをとった監督たちが登壇。“アンギラスハイボール”を飲みながら「ゴジラ」との思い出を語った。

登壇したのは『ゴジラvsビオランテ』(89)や『ゴジラvsキングギドラ』(91)でメガホンをとった大森一樹監督、『ゴジラvsモスラ』(92)と『ゴジラvsデストロイア』(95)に加え『ゴジラ2000ミレニアム』(99)も手掛けた大河原孝夫監督と、「ミレニアムシリーズ」で3作品を監督した手塚昌明監督。そして『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(01)の金子修介監督の4名。

「それぞれの作品が終わっては始まり、終わっては始まりで、皆さんがご一緒する機会はあまりない。いまのうちに70周年の予約をしています」と喜びを語る富山プロデューサーの挨拶を皮切りに、“レジェンド監督”たちは「ゴジラ」シリーズの監督に抜擢されたときの思い出から順にトークを進めていく。

「最初は脚本を書いてくださいというお話で、ある程度できた時に監督も、という話になった」と振り返る大森監督は「いまでこそ『ゴジラ』と言ったらみんなが知っていて人も集まる作品ですが、当時は僕らが一所懸命に東宝へ働きかけたぐらい興行的に信用がなかった。だからこそ逆に好きなことができたし、うまくやれば自分たちの功績になるというのがおもしろかった」と語る。

一方で、大森監督からバトンを引き継いだ大河原監督は「話が来る前に『vsモスラ』のポスターが出来上がっていたので、3本目も大森さんがやるんだと思っていたところにお話がきた」と明かし「ジャンルではなくシナリオの中身で作品の質が決まる。大森さんの脚本がおもしろかったし、相手になるモスラは男性にも女性にも人気だから頑張ろうと思った」と振り返る。そして「その結果たくさんのお客さんが入ったので、初日のパーティーで大森さんが『やればよかった』って言ってましたね」と当時のエピソードを懐かしそうに語った。

また、大の「ゴジラ」ファンだった手塚監督は「まさか自分が監督になれると思ってなかったので、お話をもらったときには『やっと来た!』って思いました」と笑顔で語り「あえて考えてるフリをして、1週間くらいしてから引き受けました(笑)」と笑いを誘う。さらに1992年の正月に富山プロデューサー宛の年賀状に「『ゴジラvsモスラ』の監督に立候補します」と書いたという金子監督は「もう、やらせていただきます。どうやろうか、みたいな感じでした」と振り返った。

その後監督たちは、『vsキングギドラ』に登場したドラットや『vsメカゴジラ』に登場したベビーゴジラなど、メインではない怪獣との思い出や特技監督の川北紘一さんとの思い出、それぞれが手掛けた作品のこだわりなどを語っていく。他にも『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』の際に手塚監督がカメオ出演した経緯など、なかなか聞けない話題で会場一体となって盛り上がり、大森監督は“アンギラスハイボール”をお代わりする一幕も。

そして「次に『ゴジラ』映画を撮るなら?」という質問に対し、富山プロデューサーは「レジェンダリーのシリーズは続いて欲しいし、日本では『シン・ゴジラ』の後のシリーズを1本1本時間を置いて作家性のあっておもしろいものができると願っている」と語ると「でもその間の作品が欲しい。メカゴジラを主人公に、ミニチュアで着ぐるみで2年に1本のペースで『メカゴジラ』シリーズを作ることを東宝に提案したい」と意気込み、会場に集まったファンからは大きな拍手が。

さらに大森監督は『vsビオランテ』の後に予定されていた『モスラvsバガン』のタイトルを挙げ、大河原監督も一時的に候補に上がったという「スケルトンゴジラ」の構想を語る。「一番ゴジラに勝ちそうな感じがする」とカマキラスの名前を挙げた金子監督は「ガメラは無理ですよね…会社が別だから」と呟き、「正義のガメラと悪のゴジラが戦って、悪のゴジラが勝つ」と構想を語ると会場からは「見たい!」と熱望する声が。すると大森監督も「バットマンが出てこないでジョーカーだけの映画が成立したから、ゴジラが出てこないゴジラ映画で『ビオランテ』ってのはどうでしょう」と提案。会場の盛り上がりは最高潮に達した。

取材・文/久保田 和馬