監督業にも挑戦!『シティーハンター』漫画家の北条司が映画界でもアツい!
これまで数々の名作を世に送り出してきた漫画家の北条司。今年は、代表作「シティーハンター」のTVアニメ放送30周年を記念し、19年ぶりとなる映画『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』が年明けに公開。スマッシュヒットを記録したことも記憶に新しいだろう。そんな彼の関わる映画が、11月に立て続けに公開されるので紹介したい!
台本は絵コンテ…!?北条が監督業に初挑戦
北条が“漫画”というつながりから、実写映画の総監督に初めて挑むことになったのが、現在公開中の『エンジェルサイン』だ。
本作は、セリフのない漫画で演出力を競う「サイレントマンガオーディション」に世界108の国と地域から寄せられた6888編の中から、アジア・ヨーロッパ・南米の受賞作品を実写化したオムニバス映画。受賞5作品に加え、審査員を務める北条も描き下ろしの「プロローグ&エピローグ」で参加し、総監督を務めている。漫画同様、映画も全編を通して一切のセリフを用いずに、映像と音楽のみでストーリーが展開するという挑戦的な作品だ。
「プロローグ&エピローグ」は、チェリストのアイカ(松下奈緒)とピアニストのタカヤ(ディーン・フジオカ)の若き音楽家の恋人同士の姿を描いたせつないラブストーリー。いつか音楽で世界中を感動させたいと夢を追いかけ、曲作りに没頭するタカヤとそれを見守るアイカ。タカヤはついにチェロとピアノの二重奏曲を作り上げるが、その直後に帰らぬ人となってしまい…という物語だ。
このエピソードの監督を北条が務めているが、アイカ役の松下が驚いたとコメントしているように、なんと台本は描き下ろしの“絵コンテ”だったのだそう。その完成度の高さにフジオカも「登場人物が何を求め、なぜそこにいるのかがすごく伝わった」と感嘆したことをイベントで明かしており、漫画家の北条ならではのアプローチで作り上げた作品が、どのような出来上がりになっているのかは気になるところだろう。
北条も太鼓判のフランス実写版「シティーハンター」
また11月29日(金)からは『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』も公開される。まさかのフランスでの実写化となった本作。ストーリーは、相棒のカオリと共に依頼を請け負っていたリョウのもとに、香りを嗅いだ者を虜にしてしまう“キューピッドの香水”奪回の任務が持ち込まれる…というもの。48時間というリミットの中、香水を取り戻そうと奔走する姿が描かれていく。
日本でもヒットしたフランスのコメディ映画『世界の果てまでヒャッハー!』(15)などのフィリップ・ラショーが、本作の監督、脚本、主演を務めている本作。フランスでも「シティーハンター」はポピュラーで、ラショー本人も幼い頃から「シティーハンター」を観て育った大ファンなのだとか。
北条は、そんなラショーが手掛けた脚本について「作品への理解が深くて、僕はこの人なら大丈夫だろうと安心していました。まさに『シティーハンター』というものでうれしかった」とイベントでコメントしており、彼と話した際に「シティーハンター」を“わかっている人”だと思ったのだそう。このストーリーを原作に入れたかったとまで北条に言わしめた本作は、ファンならばマストでチェックしたいところだ。
また、東京はすでに終わってしまったが、大阪では2020年の1月9日(木)〜20日(月)にかけて原画展覧会「劇場版シティーハンター PRIVATE EXHIBITION」も開催されるなど、改めて大きな盛り上がりを見せている北条司。“北条ワールド”の新たな魅力も発見できる作品たちを、ぜひ見逃さないでほしい。
文/トライワークス