『ツリー・オブ・ライフ』ブラッド・ピット、ジェシカ・チャステインらがカンヌに登場!
1950年代のアメリカを舞台に父と子の物語を描く『ツリー・オブ・ライフ』(8月12日公開)の記者会見が現地時間5月16日、第64回カンヌ国際映画祭で行われ、主演兼プロデューサーを務めるブラッド・ピットと、彼の妻を演じたジェシカ・チャステイン、プロデューサーのデデ・ガードナー、サラ・グリーン、グラント・ヒル、ビル・ポーラッドが登壇した。
ディヴィッド・フィンチャー、テリー・ギリアム、スティーブン・ソダーバーグ、コーエン兄弟、クエンティン・タランティーノら名だたる監督の作品に出演し、マイケル・ウィンターボトム、マシュー・ヴォーンらのプロデューサーも務めたブラッド・ピットは、鬼才テレンス・マリック5本目の映画となる本作について、「自分が手がけなければならないと感じ、4年前から参加しました」と、作品に対する思いを語った。ブラッド・ピットは本作を「この映画が描いている永遠の命題について考えてみた。子供たちは厳格な自然である父と、恵みと愛の象徴である母との間で揺れながら成長していく。この映画はなぜ、何のためにこの世に生まれて、そして死んで、一体どこに行くのかを描いた作品だ」と紹介した。劇中で描かれている家族について、「自分の少年時代と少し似ていて、脚本を読んだ時、自分が幼かった頃を思い出した。(自分の父親も)あそこまで厳格ではなかったが、どこか似ているところがあった」と振り返った。公式の場に現れないことで有名なテレンス・マリック監督(今回も欠席)について、「とても優しい人で、一日中よく笑っている。トイレにも行くよ(笑)。毎日喜びを見出して、キャラクターを愛しみ、とてもリスペクトしてくれる」と話した。
テレンス・マリック監督のファンだというジェシカ・チャステインは、本作出演の喜びを語り、「監督とは撮影の約3ヶ月前から役作りの相談をしていて、そこで前もってできあがりを計算するような演技プランを立てるのではなく、瞬間、瞬間をとらえるアプローチを学びました」と、撮影を通して得たものがあったようだ。
同日に行われたレッドカーペットセレモニーには、ブラッド・ピット、ショーン・ペン、ジェシカ・チャステインが登場。今年の本映画祭最大ともいえるビッグスターの登場に、詰めかけた沿道の観客は大きな盛り上がりを見せた。ブラッド・ピットとショーン・ペンは、久しぶりの再会を祝い、レッド・カーペット上でがっしり抱き合って挨拶し、ジェシカの手をとり、3人で観客の声援に応えた。ブラッド・ピットは、テレンス・マリック監督との仕事について「素晴らしい体験だった」と話し、ショーン・ペンは「テレンス・マリック監督は、本当にすごい人だよ。カンヌに来られてとても嬉しい」と喜びを語った。
例年以上に話題作が集まる今年のコンペティション部門の中でも、本作は最大の注目作と言われるだけあり、レッド・カーペットには、ジュード・ロウ、リュック・ベッソン監督、イザベル・ユペール、ミア・ワシコウスカ、ナタリー・バイ、シャーロット・ランプリングなど豪華な顔ぶれに加え、アンジェリーナ・ジョリーも登場し、黒のドレスに身を包み、一際注目を集めた。米ヴァラエティ誌は「最も待ち望まれていた監督の、最もシンプルかつ挑戦的な作品」、米ハリウッド・レポーター誌は「ブラッド・ピットは最高の演技を見せている」と評し、英ガーディアン紙は星5つを与えるなど、マスコミの激賞が全世界のメディアで始まった。同映画祭は現地時間5月22日(日)に各賞が発表され、同日に閉幕する。【Movie Walker】