「神奈川沖浪裏」がうねる!阿部寛、玉木宏らの姿も初お披露目の『HOKUSAI』特報解禁
米ライフ誌で“この1000年で偉大な功績を残した100人”に唯一の日本人として選ばれている浮世絵師、葛飾北斎の知られざる生涯を描く映画『HOKUSAI』が5月29日(金)より公開される。このたび、特報映像と場面写真が解禁となった。
19世紀にヨーロッパでジャポニズムブームを巻き起こし、マネ、モネ、ゴッホ、ゴーギャンなど数々のアーティストに多大な影響を与え続けてきた葛飾北斎。代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、今年2月に新たに刷新される新パスポートや2024年度から使用される千円札のデザインに採用されるなど、いまなお愛され続ける世界的アーティストの北斎だが、本作では表現者たちの多くが幕府によって自由を奪われていた激動の時代に、筆ひとつで挑み、闘い続けた彼の知られざる物語が描かれる。
このたび解禁された特報映像では、北斎の代表作である「冨嶽三十六景」の一図、「神奈川沖浪裏」がダイナミックにうねるアニメーションで幕をあける。「北極星にちなんでつけたんだ。たったひとつ決して動かねえ星だ」と、自らの名前の由来を阿部寛演じる稀代の版元(プロデューサー)である蔦屋重三郎にまっすぐなまなざしで語る、柳楽優弥演じる北斎の青年期、そして「勝負してえんだ、世の中とよ」と老いてもなおさらなる高みを目指し、目をギラつかせる田中泯演じる老年期、二つの時代の北斎が捉えられている。また本映像では、北斎の人生のキーマンとなる蔦屋重三郎、玉木宏演じる喜多川歌麿、永山瑛太演じる柳亭種彦の映像も初お披露目。豪華キャストたちが、それぞれの視点から北斎の波乱万丈の人生を見つめる。
あわせて解禁となった場面写真では、飽くなき向上心のままに一心不乱に作品づくりに没頭する青年期と老年期の北斎や、妖艶なまなざしで花魁を描こうとする美人画の大家の歌麿、種彦の書いた書物に目を落とし言葉を交わしている様子の老年期の北斎と種彦の姿などが写し出されている。また「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を手に取る芸者の姿たちもあり、“あの波”がいかに当時の人々の心を動かしたのかも注目される。
今年生誕260周年を迎える葛飾北斎。いまだかつて描かれることのなかった彼の知られざる物語、そして世界中に影響を与えた“あの波”の誕生秘話を描いた本作に期待がふくらむ!
文/富塚 沙羅