制作の舞台裏、“業界あるある”…熱量たっぷりな「SHIROBAKO」の見どころ振り返り!
“お仕事シリーズ”第2弾としてアニメ制作会社P.A.WORKS(ピーエーワークス)が制作し、2014~15年にかけて放送されたテレビアニメ「SHIROBAKO」。夢あふれるアニメ業界の裏側と、そこで奮闘する人々を描き、お茶の間のみならずアニメ関係者の間でも大きな反響を呼んだ。そんな話題作の劇場版がいよいよ公開された。放送終了から約5年を経たいまも愛され続ける「SHIROBAKO」の世界を振り返ってみよう。
主人公はアニメ制作会社「武蔵野アニメーション(通称ムサニ)」で制作進行として働く宮森あおい。高校のアニメーション同好会の同級生の仲間といつか一緒にアニメを作ることを目標に日々仕事に精を出すも、自身が担当するアニメ作品はトラブル続きでうまくいかないことばかり。仲間たちもそれぞれアニメーター、声優、3Dクリエイター、脚本家を目指しているが、やはり一筋縄ではいかないようで…というのがテレビシリーズのストーリーだ。
実在の人物がモデルに!?クセありまくりな登場人物たち
本作が多くのファンの心を掴んだ理由を挙げるなら、まず“キャラクターの魅力”は外せない。「万策尽きたぁ!」が口グセの心配症の制作デスクに、クールなゴスロリ系ファッションに身を包んだスゴ腕アニメーター、さらには逃亡癖のある演出家まで。ひとクセもふたクセもありそうな面々が、毎回メインや脇役を担いながら物語を紡いでいく。ちなみに、一部のキャラは実在の人物がモデルになっており、彼らの代表作もよく似たタイトルで作中に登場。アニメファンなら元ネタ探しも大いに楽しめるだろう。
アニメ作りはトラブル続き?驚愕の“業界あるある”たち
制作進行としてムサニの各部署をつなぐあおいの目線を通じ、リアルなアニメ業界を垣間見られるのも見どころの一つ。監督、演出、原画といった人々の役割や具体的な仕事内容のほか、現場で起こりがちなトラブル――爆発のエフェクトを巡って手描き派と3D派が対立、原作の出版社がアニメ化に対し理不尽な要求を出す――など、様々な“あるある(?)”エピソードが描かれることも。アニメ業界に興味のある人や、就職・転職を考える人へのガイドとしても重宝しそう?
「白箱(SHIROBAKO)」完成に向けてまい進するスタッフたちの熱いドラマ!
タイトルの由来である“白箱”は、映像作品が完成した時にスタッフに配布されるビデオテープ(現在は光学メディアなど)のこと。見た目は白い箱に入った簡素なものだが、それは紛れもなく作品に携わったすべての人々の努力と情熱の証。「SHIROBAKO」の物語には、そんな白箱ができる過程で生まれる熱いドラマがたっぷりと詰まっている。カワイイ女の子の“萌え”に飽きたら、働く女の子の“燃え”をぜひおすすめしたい。
劇場版『SHIROBAKO』で描かれるのはテレビ放送終了から4年後の物語。新企画の劇場アニメーションを任されたあおいたちに新たな試練が降りかかる。あおいは新たな仲間やおなじみのムサニメンバーと協力し、無事に納品までこぎつけることができるのか?成長したキャラクターたちが紡ぎだす完全新作ストーリーに期待して!
文/トライワークス