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『BRAVE HEARTS 海猿』がシリーズ最高傑作と言われるのはなぜ?

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『BRAVE HEARTS 海猿』がシリーズ最高傑作と言われるのはなぜ?

『海猿』シリーズの集大成とされる『BRAVE HEARTS 海猿』が、いよいよ7月13日(金)より公開された。人気映画で、シリーズ4作目が最大のヒット作となったのは『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(11)くらいしか思い浮かばないが、いち早く本作を試写で見たマスコミ関係者からは、“シリーズ最高傑作”との呼び声も高い。その理由は、伊藤英明演じる主人公・仙崎大輔の役柄を含め、色々な部分がレベルアップしていること、そして前作のクオリティーを超える作品しか作らないというスタッフ・キャストの気概が感じられるからだ。

仙崎大輔は、本作で最高レベルのレスキュー能力を持つ特殊救難隊となって登場する。特殊救難隊とは、海上保安官の潜水士の中でも選ばれた少数精鋭部隊であり、仙崎はその一員なのだ。主人公がスキルアップすれば、それに付随して映画の舞台も、立ち向かう災害のスケールもアップする。そこで用意されたのが原作最大のエピソードである、ジャンボジェット機の海上着水だ。

劇中に登場するG-WING206便は、全長約70mのボーイング747-400と同型という設定である。セットは、コックピット部分と、客席のキャビン部分の2つに分けられ、共に実寸大で作られた。この大舞台で、羽住英一郎監督はこれまで以上にダイナミックなアクション演出の采配を振るう。機内で繰り広げられるアクションの臨場感が半端なく、水が押し寄せるシーンでは、見ているこちらまで圧迫感を感じ、まるでアトラクションを体験しているような気分に陥る。

また、今回注目したいのが“BRAVE HEARTS”というタイトルだ。これまでは、仙崎大輔とバディたちの勇気をクローズアップした物語だったが、今回は海上保安官だけではなく、空港、消防、警察、病院、港湾関係者はもとより、民間の漁師や機内の乗組員たちまで加勢する絶妙なチームプレイが描かれる。未だかつてない難局に立たされても、大勢の力を結集させ、活路を見出していくという点は、『海猿』の新たな境地だ。まさに、未曾有の災害というべき東日本大震災を経た人々の思いがたっぷりと込められた、絆の物語となった。

さらに、『海猿』の強みは、ファンの熱狂度である。興収71億円を上げた2作目『LIMIT OF LOVE 海猿』(06)、それを上回る興収80.4億円を記録した『THE LAST MESSAGE 海猿』(10)は、共に日本実写映画年間興行収入No.1をマークしたメガヒット作だ。実はこの2作ともこれで最後という想いで作られた作品だったが、シリーズ続投を懇願したファンの声に後押しされて続編が製作された。当然ながら、今回もファンが黙っているはずがない。クオリティーの高さが既にクチコミで広がっている本作が、どこまで大ヒットするのか。今から大いに気になるところだ。【文/山崎伸子】

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