アナ・トーブ、「FRINGE」ファイナルシーズンは「満足のいく結末に」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
アナ・トーブ、「FRINGE」ファイナルシーズンは「満足のいく結末に」

映画ニュース

アナ・トーブ、「FRINGE」ファイナルシーズンは「満足のいく結末に」

J.J.エイブラムスが手掛ける大ヒットテレビシリーズ「FRINGE」。不可思議な現象の数々を描いた100のエピソードで、視聴者を異次元の空間へと誘ってくれた本作は、遂にファイナルシーズンを迎える。初来日したアナ・トーヴ(FBI特別捜査官オリビア・ダナム役)にインタビューを行ったところ、「結末は非常に満足のいく出来だった」と微笑む。今回は、これまでの撮影について、お気に入りのシーンなどを振り返ってもらった。

――J.J.エイブラムスが手掛けるドラマに出演することに関して、最初どのように感じられましたか?

「ベリーエキサイティング!本当に興奮しました。J.J.エイブラムスは、みんなに知られている超有名人なので、オファーが来た時はもう即答でした!J.J.エイブラムスの素晴らしいところは、優秀なスタッフをかき集めて、彼らをちゃんと信頼して任せるところ。周りのスタッフが各々の創造力や才能を存分に発揮して制作に臨めるような環境を整えてあげる。そういうところが素晴らしいなと思っています」

――遂にファイナルシーズンを迎える「FRINGE」。5シーズンまで続きましたが、ここまで壮大な話になると考えていましたか?それとも全く先がわからない中での撮影だったんですか?

「ここまで続くとは全く想像していませんでした。当初はパイロット版しか見ていなかったので、それしか知らずに飛び込みました。ファイナルシーズンは最後のシーズンだとわかったうえで取り組むことができたので、撮影が始まる前に、どのようにして結末を描くべきかという構想をしっかりと練ることができましたね。私たちとしては非常に満足のいく出来だったと思いますし、ファンの皆さんも同じくらい満足していただけると思います。この5年は、本当に素晴らしい5年間になりました」

――どのようにオリビア・ダナムを作っていきましたか?

「実は、シリーズの中盤に差し掛かるまでは、自分も役作りに参加できるんだという自覚はなかったんです。ピーター役のジョシュア・ジャクソンとウォルター役のジョン・ノーブルは、私よりはるかに経験を積んでいて、彼らはわりと、こういう方向にキャラクターを持っていきたい、という気持ちを押し出しながら演じていたんですね。そういう2人を見ながら、次第に私も自分の意見を入れるようにしていきました。とはいえ、テレビシリーズの場合は、脚本家と俳優の二人三脚でキャラクターを作っていくものです。こういう風にやっていきたい、というのが気に入られなければカットされますし、気に入られればそこをどんどん膨らませていってもらえるので、そういう風にして演じていました。俳優として自分自身でコントロールできる唯一の部分というのは、オリビアが何を考えているのかというキャラクターの思考回路の部分。その思考回路を整理していくのが役者の仕事だと思っています」

――変わり者のウォルター、IQ190のピーター、フィリップ・ブロイルズ、アストリッドら個性豊かな面々とチームを組んでいますが、オリビアとして読者に“上手に人と付き合う方法”を指南するとしたら?

「オリビアだったら?たとえば、相手がウォルターの時は、この人はこういう人だから、こういう時はこうするべきだとか全部メモに取って、心の準備をしておくんです(笑)。また、相手の長所に感謝しつつ、その人の人となりをそのまま受け止めることが上手に人付き合いをする秘訣かなと思います」

――確かにウォルターに関しては、そのままを受け止めているという感じでしたね?

「あはは(笑)。まあ、そうするしかないと思います!」

――第2シーズンのミュージカル仕立てのストーリーは印象的だったのですが、演じてみていかがでしたか?

「やっていてすごく楽しかったですね。歌は歌いたくはなかったんですけど(笑)。探偵風のああいう衣装も着させてもらえて、アイデアとしてすごく楽しいと思いました。破天荒なことをやっていたので、好き嫌いは分かれると思いますが、それは仕方ないというか。今さらなんですが、一つ変えることができるとすれば、もうちょっと大胆に、面白おかしくできたんじゃないかな、というのはあります」

――ピーターとオリビアの切ない関係を描いたシーンが女性ファンには人気があるようですが、ご自身が気に入っているシーンは?

「一番好きなのは第3シーズン。パラレルワールドが出てきて、もう一人のオリビアが出てきて。パラレルワールドのオリビアとピーターができちゃった、その事実が発覚した時のショックとか。そういうところを演じられて楽しかったです」

――「向こう側」「こちら側」「未来」などに、いろんなオリビアがいますが、その中で一番楽しく演じられたのは?また、自分に近いのは?

「楽しく演じられたのは、間違いなくパラレルワールドの向こう側の赤毛のオリビア。こんなに解放感があるんだ!と思いました。オリジナルのオリビアはシリアスで、とにかく仕事、仕事という感じで。この子、もうちょっとこうだったら良いのにな、というのを、全部パラレルワールドのオリビアに注ぎ込んでいきました。自分に似てるのは?まあ、どっち寄りの性格になるかはその日の気分によって違いますね。赤毛のオリビアのように、私も楽しい人なのよって言いたいところなのですが、シリアスになっちゃう時もありますし、機嫌が悪くなっちゃう日もありますし、どっちのオリビアにも自分の要素が入っていると思います」

――今回が初来日ですが、日本の印象は?また、やってみたいことはありますか?

「周りの友達は学校を卒業して日本で長期滞在したりとか、そういう友達が結構いるので、前から来たいと思っていたのですが、なかなかチャンスがなかったので、ようやく来られたという感じです。まずは東京探索をしようと思っていますが、みんなに勧められるので、帰る前に京都にも行こうかなと思っています。食べるのも大好きなので、日本の料理も色々食べてみたいと思います!」

大らかな話しぶり、そして美しい笑顔が印象的だったアナ・トーヴだが、ファイナルシーズンでは、非情な支配者となった“監視人”たちを相手に、人類の未来をかけた闘いに挑む。科学が進化し過ぎてしまった世界は、もう誰にも止められないのだろうか?J.J.エイブラムスが「今まで手掛けてきた中でも最も奇妙なシリーズ」と語る本作のラストは必見だ。【取材・文/平井あゆみ】

作品情報へ