第86回アカデミー賞ノミネート直前予測 主演男優賞編
現地時間16日(木)のアカデミー賞ノミネート発表を前に、12日にゴールデングローブ賞(以下GG賞)の授賞式が行われた。
昨今では、GG賞はアカデミー賞の指標とはなりにくくなっていると言われているが、それでも傾向を知るには十分な要素を含んでいることは変わりない。
今年は例年以上に結果が読みにくく、中でも主演男優賞は混戦状態にあり、まったく予測がつかない状況になっている。
そこで、ノミネート発表を直前に控え、indiewire.com、goldderby.com、vulture.comなど業界関係者の分析による、カテゴリー別直前予測をまとめてみた。
5席を争う今年の主演男優賞は、当初、『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』のロバート・レッドフォードと、『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』のブルース・ダーンという、77歳のベテラン2人の闘いが注目されていたが、ロバート・レッドフォードが英国アカデミー賞と全米俳優組合賞の主演男優賞のノミネートから外されるという結果になり、ノミネートすら危ぶむ声が上がっている。
ブルースに関しては、GG賞コメディ・ミュージカル部門を『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレオナルド・ディカプリオに奪われており当初の勢いは衰えているが、それでもノミネートは確実視されている。
最有力候補と言われながら、GG賞のドラマ部門で主演男優賞を『ダラス・バイヤーズクラブ』のマシュー・マコノヒーに奪われた『それでも夜は明ける』のキウェテル・イジョフォー、『キャプテン・フィリップス』のオスカー俳優トム・ハンクスのノミネートは確実視されているようだが、英国アカデミー賞のノミネートから外れたことでオスカーから遠退いたと言われていたマシューの存在感が一気に浮上した感がある。GG賞がスターを好む傾向がある一方で、オスカー会員は減量や眉を剃るなどの大きな代償を支払って役作りをした俳優を選ぶ傾向もあることもあって、45ポンド(約21Kg)の減量で臨んだマシューが大きな脅威となっている。
ブルース、キウェテエル、マシューのノミネートが確実されるなか、残りの2席を奪い合うのは誰なのか。
アカデミー会員から嫌われていることで有名なレオナルド・ディカプリオは、GG賞にノミネートされてもオスカー候補から外されることも多かった。また今回も、憎むべき実在の詐欺師を演じていることや、派手で卑猥な内容が会員から受け入れられなかったという報道もあるなかノミネートも危ぶまれているが、今年はついにGG賞のミュージカル・コメディ部門で主演男優賞を受賞していることから、ノミネートに期待がかかっている。
また『大統領の執事の涙』のオスカー俳優フォレスト・ウィテカーも未だに根強い候補者である一方で、『アメリカン・ハッスル』のオスカー俳優クリスチャン・ベールの存在も高まっている。
美男子すぎるゆえか、はたまたサンダンス映画祭などを立ち上げた異端児だからなのか、もともとあまりアカデミー会員から好かれていないロバートがノミネートされるのか。レオの同行も気になるところだが、ロバート、レオ、クリスチャン、フォレストの4人で2席を争うことになりそうだ。
なお第86回アカデミー賞授賞式は、3月2日(日)にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催されることになっているが、まずは16日、クリス・ヘムズワースの発表するノミネート結果が楽しみだ。【NY在住/JUNKO】