東出昌大、根津甚八から「タスキ受け取った」と決意語る
石井隆監督の代表作として知られるバイオレンス・アクションの19年ぶりとなる続編『GONIN サーガ』(9月26日公開)の完成報告記者会見が8月7日に東京国際フォーラムで開催され、東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、安藤政信、竹中直人、石井隆監督が出席。東出が、本作で共演を果たした根津甚八への思いを語った。
ある5人組による暴力団襲撃事件で命を落とした遺族が出会い、因縁の相手と死闘を繰り広げる姿を描く本作。2010年に「俳優引退」を宣言し、現在は車いすでの生活を送っているという根津甚八が、石井監督たっての願いで、本作限りの出演を果たしたことでも話題だ。根津は、前作と同じ氷頭役として現場で壮絶な演技を見せたという。
「前作は大好きな映画だった」と口火を切った東出。本作への抜擢を受けて、「根津甚八さんは事務所の先輩でもありますし、当時から携わっていた関係者の方々の話も伺った。これをプレッシャーと受け止めず、タスキだと受け止めて次につなげようと思った」と力強く語った。共演シーンを振り返ると、東出は「気迫がすごかった」とコメント。「石井監督と根津さんとの、いろいろなものが詰まっているのを目の当たりにしたときに込み上げるものがあった」と強く感動したそう。
また桐谷も「役者という道を選んで良かった。この世界にいられたことをめっちゃ素晴らしいことだと思った」、土屋は「天才と呼ばれる人だとリスペクトした」、安藤も「俺は仕事があまり好きじゃなかったり、全然働かなかったりするけど、そういうこと言っているとひっぱたかれると思った」と会場を笑わせながら、「自由に動けない中、すべてをカメラの前でさらけ出した。根津さんと監督の信頼関係について話そうとするだけで泣きそうになる」と根津の渾身の演技に大いに刺激を受けた様子だ。
そして数々の作品で共演した竹中は、「まだまだ俺ももっとやらなきゃダメだなと。逆にエネルギーをもらった。本当に根津甚八はすごい存在だと思った。最高です!」と惜しみない賛辞の言葉を送っていた。【取材・文/成田おり枝】