山田洋次監督、大泉洋が“寅さん”演じるのも「いいんじゃないかなぁ」

映画ニュース

山田洋次監督、大泉洋が“寅さん”演じるのも「いいんじゃないかなぁ」

映画『男はつらいよ』シリーズの寅さんの故郷である葛飾・柴又の寅さん記念館がリニューアルを果たした。12月19日にはオープニングセレモニーが開催され、山田洋次監督、『男はつらいよ』シリーズのマドンナ代表として竹下景子、山田監督の最新作『家族はつらいよ』(2016年3月12日公開)に出演する歌手の徳永ゆうきが出席した。

山田監督は、たくさんの観客が集まった会場を見渡して「こんなにたくさんの方が来てくださるとはびっくり」と驚嘆。寅さんが今なお愛される秘訣は「今の時代がさみしいからじゃないでしょうかね」と目を細め、「寅さんのような暮らしは消えつつある。ほとんどなくなってしまったんじゃないかという不安を、実は寅さんを作りながらも抱いていました」と明かした。

さらに「柴又を中心とした下町にあった暮らし。懐かしく、あの頃に帰りたいと思えるような暮らしが、ここに来ると体験できる。そんな記念館でありたいと、リニューアルを重ねてきたように思う」、「旅を通していろんな人と繋がり合えた時代があったと、記念館の中で鉄道を体験しながら思い返してもらいたい」と記念館の名誉館長としての思いを語っていた。

囲み取材では、寅さん役の渥美清の思い出話に花を咲かせた山田監督と竹下。竹下が「私たちが手持ち無沙汰にしていると、渥美さんがこんな話があったといろいろな話をしてくださる。今思うと半分くらいフィクションだったのかもしれませんがものすごく楽しくて」と振り返ると、山田監督も「本当に話が上手でしたね。名人の落語を聞いているようなもので」としみじみ。

記者から「(リサーチ会社のアンケートで)寅さん役が似合いそうな俳優トップ10において、大泉洋が1位になった」と知らされる一幕もあり、山田監督は「そんなの初めて知った。大泉洋くんねぇ、いいんじゃないかなぁ。別の寅さんができるかもしれませんね」とニンマリ。竹下も「見てみたい。さくらさんはどなたになるんでしょうね」と楽しそうに顔を見合わせていた。

今回の記念館リニューアルでは、「寅さんの旅」をテーマに、その象徴である「鉄道」や「駅」が新たな展示物として追加された。『男はつらいよ』第1作が公開された当時の昔懐かしい駅舎や駅長室のセットを展示するほか、原寸の客車ボックスシートを再現。窓にはモニターを設置し、『男はつらいよ』の鉄道に関わるシーンを映し出すなど、寅さんが旅した全国の原風景を車窓から楽しむことができる。【取材・文/成田おり枝】

作品情報へ

関連作品

関連記事