『Wの悲劇』は「オカマが支えた映画」、爆笑トークが大盛況!
現在、開催中の角川映画祭のイベントで、『Wの悲劇』(84)についてのトークショーが8月10日に角川シネマ新宿で開催。女装パフォーマーでライターのブルボンヌと、映画ライターのよしひろまさみちが、大好きだという映画『Wの悲劇』についてディープなトークを繰り広げた。ブルボンヌは余興である女装版『Wの悲劇』も披露した。
新宿2丁目界隈で絶大な人気を誇るという『Wの悲劇』について、ブルボンヌは「本当にオカマが支えた映画よ」と言うと、よしひろも「私たちがずっと観てきたからね。名台詞が多すぎちゃって」と本作を猛プッシュする。
ブルボンヌが、『Wの悲劇』で三田佳子演じる大女優・羽鳥翔よろしく「私生活と舞台は関係ないの」と言った後、「いまでさえ芸能界ではたたかれるけど、あの頃は芸の肥やしだったわね」と振り返る。よしひろも「『女優、女優、女優』は三田さんのアドリブだったと。三田さんは本当にすごい」と2人で三田を絶賛する。
ブルボンヌが「宮藤官九郎さんもあの台詞はお気に入りで、『あまちゃん』でも、大女優役の(薬師丸)ひろ子さんが『領収書、領収書、領収書』って3回言うの。まさしくこの映画からインスピレーションを受けているのよ」と解説すると、よしひろも「宮藤さんも脳内はオカマに近いのかしら」と笑う。
最後に、ブルボンヌが新宿2丁目でよくやっていたという羽鳥翔(三田佳子)のモノマネの余興を披露することに。ブルボンヌは「まさかこれを、角川映画の総本山である角川シネマでやらせていただく日が来るなんて、本当に感慨深い」と言いながら、羽鳥翔の台詞に合いの手を入れた絶妙なショーを見せ、会場は爆笑の渦に包まれる。
終わった後、ブルボンヌは「やっちゃった。ゆったり見られると本当に恥ずかしい。でも、良い経験でした。女優としてひと皮むけた気がします」と、羽鳥が言いそうな感想を述べると、よしひろも薬師丸ひろ子演じる新人女優・三田静香よろしく「たこやき、ドアノブにかけておくので食べてください」と劇中の台詞を引用した。
現在、角川映画祭では、1976年の第1弾、巨匠・市川崑監督の『犬神家の一族』から、1988年宮沢りえの映画デビュー作『ぼくらの七日間戦争』まで、パワーあふれる48作品の角川映画を一挙上映中だ。【取材・文/山崎伸子】